現代語訳

ヤマサチヒコが落ち込んで浜に項垂れて憂いていると、雁(かり)が罠に捕らえられる姿を見つけた
 ・この雁に自分の姿を写し見て哀れになり、この罠を解いてやった
・それを見ていたシホツツ※の老翁が罠を解いた理由を問うと、ヤマサチヒコはそのまま答えた
 ・すると、シホツツヤマサチヒコの憂いを晴らす方法を考えた
シホツツは、メナシカタアミ(目無し交網)をカモ(船)に入れ、交網に歌札を付けてヤマサチヒコも乗せた
 ・そして、帆を上げてトモツナ(艫綱)を解き放ち、ツクシウマシの浜(鵜戸)に着いた
・カモ・網を置いて先に進むとソヲのハテカミの瑞垣があり、ウテナ(大殿)は輝いていた
 ・ヤマサチヒコは、(日々)夕暮れにハヱバ・ユツリハの生い茂る野で寝そべりながら(作戦を)待っていた

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用語解説

・シホツツ:ヒコホオテミやタケヒト(神武天皇)を手助けする人物(シホカマとは別人と考えられる)

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原文(漢字読み下し)

・浜(はま)に頂垂(うなた)れ
・憂(うれ)ふ時(とき) 雁罠(かりわな)に陥(お)つ
・これお解(と)く シホツツの老翁(をち)
・故(ゆえ)お問(と)ふ ままに答(こた)ふる
・老翁(をち)曰(いわ)く 君(きみ)な憂(うれ)ひそ
・図(はか)らんと

・目無(めな)し交網(かたあみ)
・カモに入(い)れ 歌札(うたふた)付(つ)けて
・君(きみ)も乗(の)せ 帆上(ほあ)け艫綱(ともつな)
・解(と)き放(はな)つ ツクシウマシの
・浜(はま)に着(つ)く

・カモ・網(あみ)棄(す)てて
・行(い)き到(いた)る ソヲハテ守(かみ)の
・瑞垣(みつかき)や 大殿(うてな)かかやく
・日(ひ)も暮(く)れて ハヱ葉(は)・ユツリ葉(は)
・繁(し)き茂(も)して 寝(いね)もせて待(ま)つ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります