現代語訳

・(以上の故事より、アチヒコが枕詞のいわれをまとめた)
・「その葦原はマトノオシヱ(和の教え)に始まって、成熟すればアワクニ(和国)は照るヤマト(大和)となる
ヒキテアカルシ※にあるように、アワ歌の導きによって民に音声の道が開け、中国は調和されて和国となるのである
マトミチ(和道)の通らない葦引き(下準備)という枕詞は、歌の種(歌が調うまでの準備を指す)
・(つまり、このような例が挙げられる)
 ・『あしひき』は"やま"(ヨモツとヤマトから来る枕詞)
 ・『ほのぼの』は"あけ"
 ・『ぬばたま』は"よる"の種
 ・『しまつとり』は"う(鵜)"
 ・『おきつとり』は"かも""ふね"である
・これらは"ぬばたまの夜の歌枕""覚めて明るい前言葉"という
・心を明かすのは歌の道であり、ミソギの道は身(形)を明るくするヤマトノミチ(和の道)である
・このように非常に大いなる意味があるのだ」

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用語解説

・ヒキテアカルシ:「葦"引き"」と「アワ歌のみち"びき"」、「葦原の"開化"」と「音声の道が"開け"」を掛けている

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原文(漢字読み下し)

・和(まと)の教(をし)ゑに
・かかんして のん和国(あわくに)は
・てん大和(やまと)

・引(ひ)きて開(あか)るき
・葦原(あしはら)の 歌(うた)も悟(さと)れよ

・和道(まとみち)の 通(とほ)らぬ前(まえ)の
・葦引(あしひ)きの 枕言葉(まくらことは)は
・歌(うた)の種(たね)

・あしひきは やま
・ほのぼのは あけぬばたまは
・よるの種(たね) しまつとりのう
・おきつとり かもとふねなり

・この味(あち)を ぬばたまの夜(よ)の
・歌枕(うたまくら) 覚(さ)めて明(あか)るき
・前言葉(まえことは)

・心(こころ)お明(あ)かす
・歌(うた)の道(みち) ミソギの道(みち)は
・身(み)お明(あ)かす

・和(やまと)の道(みち)の
・大(おお)いなるかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります