現代語訳

・「昔、タマキネ(トヨケ)が誓いをするために、カツラギ山で八千禊(8000回の禊)を済ませた
 ・そして、イトリノテクルマ※(斎鳥の出車)を造り、桂(タカマ)の迎えとしてハラミに継ぐ形を作った
二尊は相談し、御子をトヨケに預けて養育することにした
 ・そこで出車を召してヒタカミに向かった
 ・この際、御子は八房輿に、乳母のミチツヒメは方輿に乗って皆でケタ壺のヤマテ宮に向かった
・なお、御子(アマテル)は全身から光を吹き出し、八方は黄金に輝いた
 ・この様子からトヨケは御子にワカヒトという斎名を与えた
二尊は御子をトヨケに預けると「我が宮ではよく育てられません」と畏まって天(ヒタカミ)に上げた
 ・御子を手放すと、二尊オキツノミヤ※に帰って行った」

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用語解説

・イトリノテクルマ:貴人が出かける時の乗り物の一種
・オキツノミヤ:アワ国(中央部)の都市の宮殿

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原文(漢字読み下し)

・昔(むかし)タマキネ
・誓(ちか)いして カツラギ山(やま)の
・八千禊(やちみそき) 済(す)みて斎鳥(いとり)の
・出車(てくるま)を 造(つく)り桂(かつら)の
・迎(むか)ひとて ハラミに伝(つた)ふ
・ある形(かたち)

・二尊(ふたかみ)夢(ゆめ)の
・心地(ここち)にて 合(あ)ひ見給(みたま)えは
・トヨケにて 陽陰御子(あめみこ)養(ひた)す
・物語(ものかた)り

・召(め)す出車(てくるま)を
・ヒタカミへ 御幸(みゆき)の君(きみ)は
・八房輿(やふさこし) 御乳(おち)つ母(も)侍(はへ)る
・方輿(けたこし)も 皆(みな)ケタツボの
・ヤマテ宮(みや)

・御子(みこ)の光(ひかり)の
・照(て)り通(とほ)り 八方(やも)に黄金(こかね)の
・放(はな)さけは 日(ひ)の分宮(わかみや)の
・ワカヒトと トヨケ斎名(ゐみな)を
・奉(たてまつ)る

・二尊(ふたかみ)畏(おそ)れ
・我(わ)か宮(みや)に むへ育(そた)てしと
・天(あめ)に上(あ)け オキツの宮(みや)に
・帰(かえ)ります

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります