現代語訳

ハタレシムミチ※は、このような術を使って対抗してきた
 ・山川を沸き立たせ氾濫させる
 ・大オロチ(巨大な大蛇)に炎を吐かせて驚かす
・この戦術に成す術を失ったカナサキは、しばし戦場から離れて天(中央政府)に報告した
 ・するとアマテルは、カダスス※(葛末)とワラヒナワ※(蕨縄)を授けた
・戦場に戻ったカナサキは、これを攻め手の諸守に授けて呪(まじな)いをした
 ・すると、ハタレノモノ(悪霊たち)の術は忽ち消え失せた
ハタレノモノが逃げ出そうとすると、カミイクサ(官軍)が一網打尽にして生け捕った
 ・生け捕ったハタレマ(取り憑かれた者)は日照りで乾いた場所に繋いで置かれた
 ・また、それを囮にして、遂にハタレカミ(ハタレの頭領)をも生け捕った
・そして、捕えたハタレカミは牢屋に入れて置いた
 ・また、3000人のモノマ(取り憑かれた者)シム(縁者≒地方官)に預けて、官軍は凱旋を果たした

<<前   次>>

用語解説

・シムミチ:ムハタレの一つで、ニシキオロチのシム(霊)が人や獣に憑いて化けたものを指す
・カダスス:葛の蔓の末端の細い部分を指すとされる
・ワラヒナワ:ワラビで作った縄を指す

<<前   次>>


原文(漢字読み下し)

・ハタレシムミチ
・為(な)す術(わさ)に 山川(やまかわ)あふれ
・大(う)オロチか 炎(ほのほ)を吐(は)きて
・驚(おとろ)かす カナサキしはし
・立(た)ち帰(かえ)り 陽陰(あめ)に告(つ)くれは
・大御神(ををんかみ) 賜(たま)ふ葛末(かたすす)
・蕨縄(わらひなわ)

・カナサキ受(う)けて
・攻(せ)め口(くち)の 諸(もの)に授(さつ)けて
・呪(ましな)えは ハタレのモノの
・術(わさ)成(な)らす  逃(に)けんとすれと
・上軍(かみいくさ) 勝(か)ちて生(い)け捕(と)る
・ハタレマを 乾(かわ)く日照(ひて)りに
・つなぎ置(お)き 遂(つい)に生(い)け捕(と)る
・ハタレ頭(かみ) ツツガに置(お)きて
・三千(みち)モノマ シムに預(あつ)けて
・諸(もろ)帰(かえ)りけり

<<前   次>>

現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります