現代語訳

・トヨ国が賑わって6万年が経ったが、アソ国は肥えなかった
 ・そこで、弟君(ヤマサチヒコ)はアソ宮を造らせて宮を遷った
・アソでは埴を良くしようと考えて、数峰に数魚を入れて田を肥やし、陽炎の火のコエクニ(肥国)と改称した
 ・肥国のタケイワタツは この成果に仰天し、娘のアソヒメ弟君に献上した
 ・弟君は姫を召し上げて内后とし、ここで6万年を過ごした
・しかし、シガノカミタは まだ満ち足りなかったので、弟君はツクシ宮に遷った
 ・ここでも埴を良くしようと考えて、埴に油粕を入れ、カスヤの埴を満たした
 ・すると、その他の30県が弟君の巡幸を乞い、巡幸しながら各地を満たしてツクシミヤに帰った
・これにより土地が豊かに肥えて、民も安定した日々を送れるようになった
 ・弟君はツクシに座して6万年が経ったが、これまで3鈴(18万年)の間 休まず民を治めた故に御子が無かった
 ・そのため、ツクシ宮を棄ててウド(鵜戸)に到った
・ウドにいる際、ハテ守(ハテツミ)がカゴシマに招いたが弟君は行かなかった
 ・このことは、トヨタマヒメから父のハテ守に告げられた
・すると、ハテ守はウドにて、このように告げた
 ・「君(ヤマサチヒコ)は楽しんでいるわけでは無いのだろう
 ・そのため、局の誰もが子を生まないのだ
 ・故に局を捨て置き、トヨタマヒメ一人を連れて しばらく此処にいるのである
 ・これはツクシの民を思っての計画であろう」

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・トヨ賑(にきは)ひて
・六万年(むよろとし) 経(へ)てもアソ国(くに)
・また肥(こ)えす 故(かれ)宮(みや)造(つく)り
・移(うつ)ります 埴(はに)お考(かんか)えて
・数峰(かそみね)の 数魚(かそうお)入(い)れて
・田(た)お肥(こ)やし

・陽炎(かけろふ)の火(ひ)の
・コエ国(くに)の タケイワタツは
・沓(くつ)お上(あ)け アソ姫(ひめ)斎餞(ゆな)に
・奉(たてまつ)る 君(きみ)召(め)し上(あ)けて
・内后(うちきさき) ここにも六万(むよろ)
・年(とし)お経(へ)て

・シガの守(かみ)方(た)は
・また満(み)てす ツクシの宮(みや)に
・移(うつ)ります 埴(はに)お考(かんか)えて
・油粕(あふらかす) 入(い)れてカスヤの
・埴(はに)満(み)つる そのほか三十(みそ)の
・招(まね)く故(ゆえ) 巡幸(めく)り考(かんか)え
・尽(つ)くし宮(みや)

・豊(ゆた)かに肥(こ)えて
・民(たみ)安(やす)く ここにも六万(むよろ)
・年(とし)お経(へ)て 三鈴(みすす)の間(あいた)
・しはらくも 休(やす)まて民(たみ)お
・治(た)す故(ゆえ)に 后(きさき)・局(つほね)も
・御子(みこ)生(う)ます

・故(かれ)これ思(おほ)し
・宮(みや)棄(す)てて ウドに到(いた)れは
・ハテ守(かみ)の 招(まね)くカゴシマ
・行(ゆ)きまさす 后(きさき)は父(ちち)に
・これお告(つ)く

・ハテ守(かみ)ウドに
・申(もふ)さくは 君(きみ)楽(たの)さすや
・然(しか)らすそ 局(つほね)はあれと
・子(こ)お生(う)ます 故(かれ)に棄(す)て置(お)き
・たた一人(ひとり) 連(つ)れてしはらく
・ここにあり ツクシの民(たみ)お
・思(おも)ふ図(はか)りそ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります