現代語訳

・なお、以前にタジマモリ※が残した遺言にはこうある
 ・「国(東国)は馴染みが無いので、橘の木を得るためにタチバナモトヒコ※の家に数年世話になった
 ・そこから周辺を馴染み巡って、ヒタカミ(陸奥)のシマツミチヒコと出会った
 ・そして、橘を多少得たが、それを届ける間もなく君は神となった(垂仁天皇の崩御)
 ・私は これを散々悔やんで 今 若宮(景行天皇)に奉る
 ・君よ、僕のタチバナモトヒコが同盟を持った理由を思い出してホツマ(東方)を領すべし」
・この遺言を以って皇(景行天皇)タケウチ※は話し合った
 ・その結果、ホツマ国のタチバナモトヒコを味方につけることになった
  ・そして、オトタチバナヒメ※ホツミテシサクラネマシを先に派遣しておいた
  ・よって、この後に都からヤマトタケの軍勢が下る算段となった
 ・その際、ヒタカミの蝦夷がタチバナモトヒコに寝返りを誘ったが、頷かずに拒否した
  ・そのため、サカムノオノに城をかまえてホツミテシサクラネマシに守らせた

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用語解説

・タジマモリ:アマヒボコの曾々孫で、勅命によってトコヨに橘の実を取りに行った。『記紀』でいうタジマモリに当たる
・タチバナモトヒコ:橘の君で、ハナタチバナヒメの父、ヲトタチバナヒメの祖父
・タケウチ:ウマシウチの子で、孝元天皇の曾孫。『記紀』でいうタケウチノスクネに当たる
・オトタチバナヒメ:タジマモリとハナタチバナヒメの娘で、後にヤマトタケ(オウス)のスケ妻となる

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原文(漢字読み下し)

・先(さき)にタジマか
・遺(のこ)し文(ふみ) 国(くに)染(そ)まされは
・橘(かく)の木(き)お 得(ゑ)んと思(おも)えは
・橘(たちはな)の モトヒコか家(や)に
・年(とし)経(ふ)りて 馴染(なし)みて巡(めく)る
・ヒタカミと シマツの君(きみ)に
・会(あ)ひ知(し)りて やや得(ゑ)て橘(かく)お
・引(ひ)かぬ間(ま)に 君(きみ)神(かみ)となる

・散々(ちち)悔(くや)み 今(いま)若宮(わかみや)に
・奉(たてまつ)る 君(きみ)僕(やつかれ)か
・モトヒコに 結(むす)ふしつくの
・源(みなもと)お 思(おも)してホツマ
・領(し)ろし召(め)せ

・ここに皇(すへらき)
・タケウチと 語(かた)り合(あ)わせて
・ホツマ国(くに) 橘(かく)モトヒコお
・己(み)になして タチハナ姫(ひめ)と
・ホツミテシ サクラネマシお
・先(さき)に遣(や)り 軍(いくさ)下(くた)れは
・ヒタカミか 招(まね)くモトヒコ
・頷(うなつ)かす 相模(さかむ)の小野(おの)に
・城(しろ)構(かま)え テシとマシらと
・守(まも)り固(かた)む

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります