現代語訳

ヱミシ※(蝦夷)の族が攻め上れば、裾野にてヤマトタケの軍勢と出会った
 ・そこでヱゾ(蝦夷)らが欺いて、このように言った
  ・「野の鹿がイキキリタツって地を踏みしだいたので、獣道が出来ています
  ・この道を望んで回り込んで敵を狩りましょう」
 ・ヤマトタケは「それは良い提案だ」と言って、言われる通りに回り込んだ
  ・すると、蝦夷は野を焼いたが、ヤマトタケは欺きに気付いており、すぐにキリヒにて向かい火を熾した
  ・そして、ヒミツノハラヒを催行し、そこで三度宣った
  ・これにより風向きが変われば、西煙が敵軍を覆い、薙ぎ払った草から引火して敵軍を焼き滅ぼした
  ・故にこの地をヤケツノと言い、剣の名をクサナギと呼ぶようになった
 ・この後、ヤマトタケ一行はアシガラヤマへと攻め到った

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用語解説

・ヱミシ(ヱゾ):辺境の蛮族を指す(主に東国の勢力を指す)

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原文(漢字読み下し)

・ヱミシの族(やから)
・迫(せ)め上(のほ)る 裾野(すその)に出会(あ)ふ
・ヤマトタケ ヱゾら欺(あさむ)き
・野(の)の鹿(しか)か 活(い)き鑽(き)り立(た)ちて
・踏(ふ)みしたく しもと結(ゆ)ひして
・道(みち)お知(し)る 望(のそ)み回(めく)りて
・狩(か)り給(たま)え 君(きみ)は実(け)にとや
・行(ゆ)き回(もと)む

・仇(あた)野(の)お焼(や)きて
・欺(あさむ)けは 知(し)りて鑽火(きりひ)の
・向(むか)ひ火(ひ)に 火水(ひみつ)の祓(はらひ)
・三度(みたひ)宣(の)る 風(こち)吹(ふ)き変(かわ)り
・西(にし)煙(けむり) 仇(あた)に覆(おふ)えは
・草(くさ)お薙(な)く 燃(も)え草(くさ)飛(と)ひて
・仇軍(あたいくさ) 焼(や)き滅(ほろ)ほせは
・焼(やけ)つ野(の)や 剣(つるき)の名(な)おも
・草薙(くさなき)と 足柄山(あしからやま)に
・迫(せ)め到(いた)る

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります