現代語訳

・以前、タラチヲ(父)のイサナギはこう申した
 ・「ハナキネ(ソサノヲ)はネノクニ・サホコを領すべし」
  ・これは、"今、ヒルコとミクマノの臣によって統治される熊野の後の君となれ"ということである
 ・「ナチの若御子のヌカタタ※(クマノクスヒ)は、イサナミを祭るべし」
  ・これにより、ヌカタタイサナミ(クマノカミ)の祭主となった
  ・なお、クマノカミ八人の鬼霊(シコメ)を使って人の魄(肉体)を枯らす神である
  ・この神を祀ると黒い鳥が群れたので、この鳥は"カラス(枯らす)"と呼んだ
イサナギは一通りの指示し終えると、アワヂノミヤに隠れた
 ・君としての役目は終えたが、天に上って陽霊を還すアヒワカミヤ(太陽分宮)に留まった
 ・そして、病気平癒のタガノカミ(治汚の神)となった

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用語解説

・ヌカタタ:アマテルとトヨヒメの御子で、『記紀』でいうクマノクスビに当たる

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原文(漢字読み下し)

・先(さき)にタラチヲ
・ハナキネは 根(ね)の国(ね)・サホコ
・領(しら)すへし いまだヒルコと
・御隈野(みくまの)の 臣(とみ)か助(たす)けて
・後(のち)の君(きみ)

・ナチの若御子(わかみこ)
・ヌカタタよ イサナミ祭(まつ)る

・隈(くま)の神(かみ) 鬼霊(しこめ)が魄(しゐ)を
・枯(か)らす神(かみ) 祭(まつ)れは黒(くろ)き
・鳥(とり)群(む)れて カラスと名付く

・イサナギは 篤(あつ)しれ給(たま)ふ
・ここを以(も)て アワヂの宮(みや)に
・かくれます 言(こと)は終(お)われと
・勢(いきお)ひは 天(あめ)に上(のほ)りて
・陽(を)を還(かえ)す 太陽分宮(あひわかみや)に
・留(とと)まりて 病(や)みを治(た)します
・治汚(たか)の神(かみ)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります