現代語訳

ニニキネのことがホオテミに告げられると、喪に入ってイセに告げられた
・すると、アマテルはカミコトノリを発した
 ・「陽陰の数(48日)を経れば喪を脱ぎて、政を聞く
 ・トシメクルヒ(命日)は喪に一日、そのミハシラ(身柱)に祀るべし」
・その後、ホオテミが皇位を承った後の御幸を成すと、アマテルは喜んで"ミヲヤニツカフアマキミ"のヲシテを与えた
トヨタマヒメはワケツチヤマにて48回喪に服し、トシノマツリも崇敬した
ホオテミは姫の祀りを尋ねると、コヤネが「前例があります」と答え、ミホツヒメは「歌を詠みなさい」と答えた
・これにより歌が詠まれれば、ミホツヒメが孫のイソヨリ※を派遣して姫を迎えさせた
・また、イソヨリは謹んで直ちに歌を詠んだ
 ・『沖つ鳥 カモ着く島に 我が寝ねし 妹は忘らじ 夜の事々も』
・御歌を受け、イソヨリが「ミホツヒメは如何します?」と尋ねると、ミホツヒメも歌を詠んだ
 ・『忌みと斎ひ 穢れを立つる 日の本の 上の心を 知る人ぞ 上』

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用語解説

・イソヨリヒメ:コモリの娘で、ミホツヒメの孫。後にタケズミの妻となり、タケズミと共に河合の神となる

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原文(漢字読み下し)

・君(きみ)に告(つ)くれは
・喪(も)に入(い)りて イセに告(つ)けます
・大御神(ををんかみ) 神言宣(かみことのり)は
・陽陰(あわ)の数(かす) 経(へ)て喪(も)お脱(ぬ)きて
・政聞(まつりき)く 年回(としめく)る日(ひ)は
・喪(も)に一日(ひとひ) その身柱(みはしら)に
・祭(まつ)るへし

・承(う)け結(ゑ)て後(のち)の
・御幸(みゆき)なる 和照(あまて)らす神(かみ)
・喜(よろこ)ひて 御祖(みをや)に継(つ)かふ
・天君(きみ)と ヲシテ賜(たま)わる

・トヨタマは ワケツチ山(やま)に
・喪還四十八(もはよそや) 年(とし)の祭(まつり)も
・敬(みあ)えなす

・天君(きみ)姫(ひめ)お
・尋(たつ)ぬれは コヤネ応(こた)えて
・例(ためし)あり ミホツに問(と)えは
・歌(うた)なせと 故(かれ)歌(うた)詠(よ)みて
・ミホツ姫(ひめ)か 孫(まこ)イソヨリお
・遣(つか)わせは 姫(ひめ)迎(むか)ゆるお
・イソヨリは 直(た)ちて詠(よ)む歌(うた)

・沖(おき)つ鳥(とり) カモ着(つ)く島(しま)に
・我(わ)か寝(い)ねし 妹(いも)は忘(わす)らし
・夜(よ)の事々(ことこと)も

・御歌(うた)承(う)け ミホツは如何(いか)ん
・イソヨリか ミホツの歌(うた)に

・忌(い)みと斎(い)ひ 穢(けか)れお立(た)つる
・日(ひ)の本(もと)の 上(かみ)の心(こころ)お
・知(し)る人(ひと)そ上(かみ)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります