現代語訳

・天の御孫のニニキネは、ニハリの門のタカミヤ(高屋)にヤマサ神を祀った
 ・これを祀るのは、民のカラフシマ(枯生締)をワカクシマトトヨマトと共に常に守るためである
 ・また、庭鳥(鶏)を飼えば、民のカラカレ(空枯れ)は無くなるだろう
・長(オサ)が驕れば、民は疲れる
 ・民が疲れて仕事も出来ないと訴える時には、戒めて国を治めなければならない
 ・でなければ、民の心がアメ(陽陰)に届き、君の門に宿るヤマサ神が苦しむ民の心を知るのである
 ・そうなれば、民の心と共に鳥の閧(鶏の鳴く時間)も乱れるだろう
・鳥の開が乱れを告げれば、人(君)も異変に気付くことになる
 ・なお、フトマニ※を見れば方角を知ることができる
 ・そこで、ツウジ※・ヨコベ※を遣わすべし
 ・それでも民が乱れるのであれば、その司を改め替えて枯れを融くべし
・故に、これを"カラフ(枯生)"と成す

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用語解説

・フトマニ:"すべてを映すもの"ということの意であり、アワノカミ(日本語の四十八音)を指す(言霊を用いた呪術)
・ツウジ:縦糸を通す織機具に掛けて、経・法を その国に通す者を指す(いわゆる国造に当たる)
・ヨコベ:経糸を通すツウジを補助する綜に掛けて、ツウジを補助する侍を指す

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原文(漢字読み下し)

・天(あめ)の御孫(みまこ)は
・新治(にいは)りの 門(かと)の高屋(たかや)に
・ヤマサ神(かみ) 纏(まつ)るは民(たみ)の
・枯生締(からふしま) ワカクシマトと
・トヨマトと 常(つね)に守(まも)りて
・鳥(とり)お飼(か)ふ 民(たみ)の空枯(からか)れ
・あらしなと

・長(を)か驕(おこ)れは
・民(たみ)疲(つか)る 疲(つか)れて業(わさ)も
・空枯(からか)れと 訴(うつた)ふ時(とき)に
・戒(いまし)めて 国(くに)お治(た)さねは
・民心(たみこころ) 陽陰(あめ)に届(とと)きて
・君(きみ)か門(かと) ヤマサの神(かみ)か
・知(し)る故(ゆえ)に 心(こころ)苦(くる)しむ
・その時(とき)は 共(こころ)に乱(みた)るる
・鳥(とり)の閧(とき)

・乱(みた)れ傷(いた)めは
・人(ひと)も知(し)る フトマニ見(み)れは
・方(けた)を知(し)る ツウジ・ヨコベを
・遣(つか)わして 民(たみ)を乱(みた)らは
・その司(つかさ) 改(あらた)め替(か)えて
・枯(か)れお融(と)く 故(かれ)枯生(からふ)成(な)る

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります