現代語訳

・「イサナミはアリマ(熊野の有馬)に葬られ、ハナトホノトキ(端と穂の時)に祭られた
イサナミが葬られると、ココリヒメ※は親族に別れを告げた
イサナギは亡き妻・イサナミの遺骸を見ようとしたが、ココリヒメは見てはならないと止めた
 ・しかし、イサナギは見て確かめなければ気が済まないとして、ココリヒメの注意を聞かずに遺骸を見に行った
イサナギは、妻の遺骸の前で黄楊櫛の辺歯に火を灯し、それで照らして確認した
 ・すると、妻の遺骸には蛆がたかっており『これは駄目だ、醜くて穢れている』と言い残して早々に去った」

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用語解説

・ココリヒメ:アワナギの子であり、シラヤマヒメ・キクキリヒメともいう。『日本書紀』でいうククリヒメに当たる

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原文(漢字読み下し)

・イサナミは アリマに納(おさ)む
・端(は)と穂(ほ)の 時(とき)に祭(まつ)りて
・ココリ姫(ひめ) 族(やから)に告(つ)くる

・イサナギは 追(お)ひ行(ゆ)き見(み)まく
・ココリ姫(ひめ) 君(きみ)これな見(み)そ
・なお聞(き)かす 悲(かな)しむ故(ゆえ)に
・来(き)たるとて 髻(ゆつ)の黄楊櫛(つけくし)
・辺歯(おとりは)を 灯(たひ)とし見(み)れは
・蛆(うち)集(たか)る 厭(いな)や醜(しこ)めき
・汚(きた)なきと 足(あし)退(ひ)き帰(かえ)る

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります