現代語訳

・この時、御孫(ニニキネ)は このように尋ねた
 ・「御祖(天祖神)が巡った時の"ホオコホ"という音からオノコロに転訛したのですか?」
・そして、アマテルはこう答えた
 ・「"ホオコホ"は音が混じっているのだ
  ・よく聴けば、クルマ(馬が駆ける音)は"キイン"である
  ・ナルカミ(雷)は"ホオロホオロ"であるぞ
 ・声の<オ>は<コワ>に収まる<ヲ>のオシテ
  ・野風に乗るシナト(風)の音は"コオコオ"である
 ・蹄が踏む跡の野には、人生が見て取れる、これは<ノ(和)>の手を結ぶ
  ・ネワ(肥えた土地)に喜ぶ、これは<コ(肥)>の手を結ぶ
  ・ヒトナルミチ(一人前となる教え)は、<ト(調)>を用い、その基礎は<ロ(路・法)>の手を結ぶ
 ・オ・ノ・コ・ロ(央・和・肥・路)の四つは、和合して地(くに)を治めるのである
  ・この四つを意図して分ければ地震が起こり、これを治めるには"オノコオノコ"と祈るべし
  ・童が寝ている時に魘されれば、"オノコオノコ"と手のひらで撫でよ
  ・雷が鳴り響き、止まらなければ"ホオコホサワソヒナオリ(ゴロゴロうるさいぞ収まれ)"と祈るべし
  ・"トトムルヲノコリ(留まり和し恵む)"と童の額を押せば魘されない方法もある
 ・以上がオノコロのいわれである」

<<前   次>>

現代語訳



<<前   次>>


原文(漢字読み下し)

・時(とき)に御孫(みまこ)の
・申(もう)さくは 上祖(みをや)の巡幸(めく)る
・ホオコホを 今(いま)オノコロと
・訛(なま)るかや 神(かみ)の答(こた)えは

・ホオコホは 交(ま)しる音(おと)なり
・よく聴(き)けは 駆馬(くるま)はキイン
・鳴神(なるかみ)は ホオロホオロそ

・声(こえ)のオは コワに収(おさ)まる
・ヲの押手(をして)

・野風(のかせ)に乗(の)れる
・轡(くつはみ)の 音(おと)はコオコオ

・踏(ふ)む跡(あと)の 野(の)に人(ひと)生(う)みて
・和(の)るはノ手(て)

・練地(ねわ)に喜(よろこ)ふ
・練地(ねわ)はコ手(て)

・人成(ひとな)る道(みち)は
・トを用(もち)ひ その基(もと)はロ手(て)

・オ・ノ・コ・ロの 四(よ)つは地(わ)に合(あ)ひ
・国治(くにをさ)む

・わさと好(この)まて
・オノコロの もしも動(うこ)かは
・よなおりを オノコオノコと
・祈(いの)るへし

・童寝(わらんへい)ねて
・魘(おそ)われは オノコオノコと
・掌(たなこ)撫(な)て

・ハタタ神鳴(かみな)り
・止(と)まさらは ホオコホ騒(さわ)そ
・ひなおりと 祈(いの)り

・留(とと)むる
・ヲノコリと 童(わらへ)の額(たひ)
・上(か)に押(お)せは 魘(おそ)われぬ法(のり)

・オノコロ謂(あや)そ

<<前   次>>

現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります