現代語訳

・この後、ソサノヲの処遇についてタカマで会議が行われた
ソサノヲの咎は1000座の3段枯れ(1080座の罪)に問われ、死罪を優に超えていた
 ・そのため、髪抜き、爪抜きの罰を与えたがこれだけでは済まず、罪を量れば死罪となる
・だが、ソサノヲの死刑の前にムカツヒメ※よりヲシカ(勅使)が派遣され、このように詔が告げられた
 ・「ウケモノに祈ってハナコ※は蘇らせた
 ・これにより、ハナコ殺害の罪400座は償われたとして良いだろう(720-400=320座)
 ・量刑を仕切り直して刑を定めるべし
 ・なお、ソサノヲの性格はシムノムシ(生まれつきの性質)である
 ・これを含めずに量刑することは無いように」
・この詔を以って、諸守はソサノヲの量刑を改めた
 ・この際、天戻る重罪もシムノムシの考慮によって半減し、結果 "交り去る(270~359座)"にまで減刑された
 ・この決定により、ソサノヲはスカサアヲ(空かさ天男)と身分を改められた(皇族から外された)
 ・そして、ヤヱハヒモトムシタタミ(八方這い回む下民)として追放された

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用語解説

・ムカツヒメ:アマテルの内宮のセオリツヒメを指す
・ハナコ:アマテルの南局の内后。スサノオの仕業により死んでいたが、ウケモノに祈って蘇らせたという

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原文(漢字読み下し)

・然(しか)る後(のち) タカマに議(はか)り
・ソサノヲの 咎(とか)は千座(ちくら)の
・三段(みきた)枯(か)れ 髪抜(かみぬ)き一(ひと)つ
・爪(つめ)も抜(ぬ)き また届(とと)かねは
・殺(ころ)す時(とき)

・ムカツ姫(ひめ)より
・差使(さをしか)に 活(うけ)モノ祈(いの)り
・よみかえす ハナコの四百逆(よもさ)
・償(つく)のゑは 清汚(さか)お明(あか)せよ
・ソサノヲか 仕業(しわさ)は血(ち)の
・虫(むし)なれと 逆無(さかな)く 恙(つつか)
・無(な)からんやわや

・言宣(ことのり)を 諸(もろ)か議(はか)りて
・天(あめ)戻(もと)る 重(おも)きもシムの
・半(なか)は減(へ)り 交(ましわ)り去(さ)ると

・空(す)かさ天男(あを) 八方(やゑ)這(は)ゐ回(もと)む 
・下民(したたみ)の 流離(さすら)遣(や)らいき

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります