現代語訳

・あるとき、ツクシが治まらなくなったので、御子の御下りを請う報告があった
 ・これを聞いたニニキネはシノ宮のホオテミツクシヲキミとする詔を発した
・その後、ホオテミはハラアサマ宮にて休暇を請おうと、ホノアカリと共にミツホなる天君(ニニキネ)の元に向かった
・そのとき、ニニキネはこのように詔した
 ・「ツクシは糧が足らないようだ
 ・されば、巡幸して田を増やさねばなるまい
 ・これ故、ムメヒト(ホノアカリ)ミツホ※の央君とする(ニニキネの代行)
 ・コヤネコモリは諸共に政を聞くべし(御子に代わって政を執る)
 ・また、ホオテミ・ホノススミはキタノツに行って治めよ
 ・イササワケに居る時は皆に馴染めよ」
ニニキネはこのように詔すると、西宮よりカメ(船)に乗ってツクシウマシノウトに着いた
 ・そこで、ツクシを遍く恵み廻って井堰と堤を造り、新田を成していった
・後にツクシに法が定まれば、スミヨシの孫のホタカミシガノカミをツクシへの御幸を請うた
 ・それに伴い、ソヲの国守のハテツミもカゴ(鹿児島)への御幸を請うた
ニニキネは、終始 月が冴えるまで身を尽くし、3年間の指絵(計画)もほぼ完成した
 ・これにより、この地の開拓を終えて無事に治めることに至った
 ・よって、ニニキネはシワカミのホツマの宮(ハラアサマ宮)に帰ることになった

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用語解説

・ミツホ:ニニキネの三番目の都で、アワ海(近江)周辺を指すと推定される

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)にツクシの
・治(をさ)まらて 御子(みこ)御下(みくた)りお
・請(こ)ふ故(ゆえ)に 君(きみ)聞(き)こし召(め)し
・シノ宮(みや)お ツクシ央君(をきみ)と
・御言宣(みことのり)

・ウツキネハラの
・宮(みや)に行(ゆ)き 暇(いとま)お乞(こ)えは
・ムメヒトも 共(とも)に上(のほ)りて
・ミツホなる 天君(あまきみ)拝(をか)む

・時(とき)に君(きみ) ツクシは糧(かて)の
・足(た)らさるか てれは行(ゆ)き巡(み)て
・田(た)お増(ま)さん 故(かれ)ムメヒトお
・央君(をきみ)とす コヤネ・モノヌシ
・諸共(もろとも)に ここに留(とと)まり
・政(まつり)聞(き)け

・ウツキネ・スセリ
・キタノツに 行(ゆ)きて治(をさ)めよ
・イササワケ あれは睦(むつ)めよ

・天君(あまきみ)は 西(にし)の宮(みや)より
・カメに乗(の)り ツクシウマシの
・ウドに着(つ)き ツクシあまねく
・恵(めく)り回(か)り 堰(いせき)・堤(つつみ)に
・新田(あらた)成(な)す

・法(のり)定(さた)むれは
・スミヨシの 孫(まこ)ホタカミや
・シガの守(かみ) ツクシに請(こ)えは
・ソヲのハテ カゴに請(こ)えとも

・ひめもすに 月(つき)澄(す)む迄(まて)も
・実(み)お尽(つく)し 三年(みとせ)に指絵(さしゑ)
・ほほ成(な)りて 造(つく)り行(おこな)い
・治(をさ)めしむ

・後(のち)にミツホに
・帰(かえ)えませは ムメヒト央君(をきみ)
・シワカミの ホツマの宮(みや)に
・帰(かえ)りますかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります