現代語訳

・この時、上鈴208年サミト
 ・2月4日ネアヱ、若宮(スキトモ)は齢36歳でアマツヒツキを受け継いでオオヤマトヒコスキトモ※の天皇と称えられた
  ・日嗣をアメノノリを以って民に拝ませれば、暦をマカリオコヨミに改めた
 ・8月1日と12月6日は喪還に入り、9月13日には母のヌナソヒメを上げて御上后とした
・上鈴209年
 ・1月5日、カルマカリオを新都として遷宮した
 ・2月11日、アメトヨツヒメを内宮に立てた
  ・また、磯城ヰデの娘のヰヅミをスケ后とした
 ・また、フトマワカの娘のイイヒメをココタヘとした
・(懿徳)5年(上鈴212年)
 ・3月7日、住吉に御幸して海松を見ている時に内宮が御子を生んだ
  ・御子はカヱシネ※と言い、斎名をミルヒトという
  ・なお、内宮の父はイキシミコ(イキシオヲキミ)である
 ・また、イイヒメがタケアシで生んだ御子はタヂマと言い、斎名をタケシヰという
・(懿徳)22年(上鈴230年)
 ・2月ツシトの12日ヲシヱ、カヱシネが代嗣御子(皇太子)となる、その時 齢18歳であった
・(懿徳)34年(上鈴242年)
 ・9月8日、君が罷る
  ・若宮のカヱシネが神に仕えようと、喪還の一年まで生き座すが如くミアエした
・上鈴243年
 ・君が罷る翌年の冬には、回送して畝傍のマナゴタニに74日座した
 ・オクルトミ※トハズカタリ※をし、若君も送葬して、イサ川にて禊して穢を返した

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用語解説

・オオヤマトヒコスキトモ:4代懿徳天皇。『記紀』のオオヤマトヒコスキトモに当たる
・カヱシネ:懿徳天皇とアメトヨツヒメの子で5代孝昭天皇となる。『記紀』のミマツヒコカエシネに当たる
・オクルトミ:崩御した君に随伴して送る臣
・トハズカタリ:"問うはずもない死者に向かって語ること"もしくは"死者の供として一緒に墓穴に入ること"

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)上鈴(あすす) 二百八年(ふもやほ)サミト
・二月四日(きさらよか) ネアヱ若宮(わかみや)
・歳(とし)三十六(みそむ) 和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて オオヤマトヒコ
・スキトモの 天皇(あめすへらき)と
・称(たた)えます

・天(あめ)の法(のり)以(も)て
・拝(おか)ませて マカリオ暦(こよみ)
・改(あらた)めて 御親(みをや)送(おく)りの
・八月一日(ほつみひ)と 十二月(しわす)の六日(むか)と
・喪還(もは)に入(い)り 九月十三日(なかつきそみか)
・母(はは)お上(あ)け 御上后(みうゑきさき)と

・一月五日(むつきゐか) 軽曲峡(かるまかりお)の
・新都(にいみやこ) 遷(うつ)し二月(きさらき)
・十一日(としみそむ)に立(た)つ アメトヨツ姫(ひめ)
・内(うち)つ宮(みや) 磯城(しき)ヰデか姫(ひめ)の
・ヰヅミスケ フトマワカか姫(ひめ)
・イイ姫(ひめ)お ココタヘ

・五年(ゐとし)
・三月七日(やよひゆみ) 住吉(すみえ)に御幸(みゆき)
・海松(みる)お見(み)て 内(うち)の生(う)む御子(みこ)
・カヱシネの 斎名(いむな)ミルヒト
・内(うち)の父(ちち) イキシ親君(きみ)

・イイ姫(ひめ)か タケアシに生(う)む
・タヂマ御子(みこ) 斎名(いむな)タケシヰ

・二十二年(ふそふとし) 二月(きさら)ツシトは
・十二日(そふ)ヲシヱ カエシネ御子(みこ)お
・代嗣(よつき)成(な)る 今年(ことし)十八歳(そや)なり

・三十四年(みそよとし) 九月八日(なかつきやか)に
・君(きみ)罷(まか)る 若宮(わかみや)神(かみ)に
・仕(つか)えんと 喪還(もは)一年(ひとほ)まて
・敬(うやま)えなす 生(い)き坐(ま)す如(こと)く

・明(あ)くる冬(ふゆ) 送(おく)る畝傍(うねひ)の
・真名子谷(まなこたに) 七十四(なそよ)に坐(ま)して
・送(おく)る臣(とみ) 問(と)はす語(かた)りや
・若君(わかきみ)も 送(おく)り納(おさ)めて
・穢(みな)返(かえ)します

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります