現代語訳

・8月初日に詔があった
 ・「私が聞くには、昔、オオナムチ※が殊成す時にミモロカミ(サキミタマ・クシヰワザタマ)がこう言ったという
 ・『我があってこそ、汝はおおよその殊を成し遂げたのである
 ・我は汝のサキミタマ※なり、ワザミタマ※ワニヒコ(クシミカタマ)であるぞ』
 ・これ故にミモロカミオオナムチに嗣いで3度 回り現れて殊を成したのである(ヲコヌシ・コモリ・ワニヒコに転生した)
 ・そして、殊を成せば一人別れたという(フキネ)、故に三人目のワニヒコまでがミワノカミであるのだ」
・この詔によって、三輪の神は代々皇の守りとして、9月11日に祀られることになった
 ・これにより、アタツクシネ"オオミワの姓"が与えられた
 ・なお、ワニヒコは享年192歳であった

※三輪の神は、クシヒコ※(コトシロヌシ)、コモリ※、クシミカタマ※を指すという

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用語解説

・オオナムチ:ソサノヲの子で、出雲から津軽に国替えされた。『記紀』でいうオオナムチに当たるが、微妙に異なる
・サキミタマ:人の上位神霊であり、肉体に宿っていない部分の霊と推定される(オオナムチの功績もサキミタマの影響)
・ワザミタマ:この世での仕業・事業を成す神霊を指すと推定される
・ヲコヌシ:"宮造り法"と"埴纏りの法"を定めたクシヒコ(オオナムチの子)を指し、いわゆる「大国主」を指すと推定される
・コモリ:クシヒコの子で、後に3代目オオモノヌシとなる。18男18女の子を養育した功績により、コモリカミとなる
・クシミカタマ:ツミハとタマクシヒメの子で、『ホツマツタヱ(天地の巻)』を書き記した

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原文(漢字読み下し)

・八月初日(はつきはつひ)に
・御言宣(みことのり) 我(われ)聞(き)く昔(むかし)
・オオナムチ 殊(こと)成(な)す時(とき)に
・ミモロ神(かみ) 我(われ)あれはこそ
・おおよその 殊(こと)成(な)さしむる
・先神霊(さきみたま) また業霊(わさたま)は
・ワニヒコそ 故(ゆえ)オオナムチ
・嗣(つき)となす 三度(みたひ)回(めく)りて
・殊(こと)成(な)せは 一人(ひとり)別(わか)れて
・三人目(みたりめ)の ワニヒコ迄(まて)か
・ミワの神(かみ)

・代々(よよ)皇(すへらき)の
・守(まも)りとて 九月十一日(なかつきそひか)
・祭(まつ)らしむ アタツクシネに
・オオミワの 姓(かはね)賜(たまわ)わる
・ワニヒコは 百九十二歳(ももこそふとし)そ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります