現代語訳

・(崇神)10年(上鈴630年)
 ・ネヤト7月24日、君が詔を発した
  ・「民を治める教えは"カミマツリ※(神霊を祀ること)"である
  ・やや汚穢は去ったが、遠い国ではアラヒト(粗人)が法を受け入れていない
  ・これ故、四方にヲシ(治人)を派遣して、法を教えることにする」
 ・9月9日、四方に派遣する治人を決めた
  ・オオヒコは、コシ(越)の治人となった
  ・タケヌナガワは、ホツマの治人となった
  ・キビツヒコは、ツサ(西南)の治人となった
  ・タニハチヌシは、タニハの治人となった
  ・そして、四人に「教えを受けない者は排除せよ」と命じ、璽を与えてイクサタチさせた
 ・各々が発てば、望の日(同年9月15日)にオオヒコが奈良坂に到り、そこで少女が歌を歌った
  ・『見よ、ミマキイリヒコ(崇神天皇)の哀れな姿を、己の副が反逆しようとしているぞ
  ・裏門から侵入するが、(四人と)行き違いに出立する
  ・表門から違うのを窺う(反逆者が居る)のを知らぬミマキイリヒコは哀れである』
 ・オオヒコは怪しんで返り、少女に歌の意を問うた
  ・すると、少女は「私は歌を歌うのみ」といって消え失せた
  ・オオヒコは胸騒ぎして、その場から立ち帰った

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用語解説

・カミマツリ:"神(上位のもの)に同調すること"や"悪霊を鎮め、善霊を崇めて味方につけること"を指す

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原文(漢字読み下し)

・十年(そほ)ネヤト 七月二十四日(ふつきすえよか)
・御言宣(みことのり) 民(たみ)治(た)す教(をし)え
・神(かみ)まつり やや汚穢(をゑ)去(さ)れと
・遠(とお)つ国(くに) 粗人法(あらひとのり)お
・また迎(む)けす 故(ゆえ)四方(よも)に治人(をし)
・遣(つか)はして 法(のり)教(をし)えしむ

・九月九日(なつきこか) オオヒコおして
・越(こし)の治人(をし) タケヌナガワお
・ホツマ治人(をし) キビツヒコして
・西南(つさ)の治人(をし) タニハチヌシお
・丹波(たには)治人(をし) 教(をし)え受(う)けすは
・綻(ほころ)はせ 璽(をして)賜(たまは)り
・軍(いくさ)立(た)ち

・各々(おのおの)発(た)ては
・望(もち)の日(ひ)に オオヒコ到(いた)る
・奈良坂(ならさか)に 少女(おとめ)か歌(うた)に

・みよミマキ イリヒコあわや
・己(お)か副(そゑ) ぬすみ退(し)せんと
・後(しり)つ門(と)お い行(ゆ)き違(たか)ひぬ
・前(まえ)つ門(と)よ い行(ゆ)き違(たか)ひて
・窺(うかか)わく 知(し)らしとミマキ
・イリヒコあわや

・オオヒコは 怪(あや)しく返(かえ)り
・これに問(と)ふ 少女(おとめ)か曰(いわ)く
・われは歌(うた) 歌(うた)ふのみとて
・消(き)え失(う)せぬ 胸騒(むなさわ)きして
・立(た)ち帰(かえ)りけり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります