現代語訳

・「二尊はソサ(紀州)に来て宮を造り、そこで静かに過ごした
 ・また、キシヰ国(紀州)にもタチバナ※を植え、トコヨサト(トコヨ里)とした
・このとき、かつて捨てたヒルコ※が再び召された(二尊の子として復帰した)
イサナミは木の下で歌を教えていた時に産んだ子をハナキネ※と名付けた
 ・ハナキネは性格が荒く、騒ぎ雄叫ぶなど大変なものだった
イサナミは、ハナキネは我が身に宿った世の隈(穢れ)が原因であると考えて責任を感じた
 ・そこで諸民に悪影響を及ぼさないよう、我が身に世の隈を受けた(クマノ宮を建てた)」

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用語解説

・タチバナ:クニトコタチの時代を象徴する木であり、ヒタカミ国のシンボルとされる
・ヒルコ:イサナギとイサナミの第一子であり、『記紀』でいうヒルコに当たる
・ハナキネ:イサナギとイサナミの子のソサノオの別名であり、『記紀』でいうスサノオに当たる

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原文(漢字読み下し)

・ソサに来(き)りて
・宮造(みやつ)り 静(しつ)かに居(ゐ)ます
・キシヰ国(くに) 橘(たちはな)植(う)ゑて
・トコヨ里(さと) 先(さき)に捨(す)てたる
・ヒルコ姫(ひめ) 再(ふたた)ひ召(め)され

・木(はな)の下(もと) 歌(うた)を教(をし)ゑて
・子(こ)お生(う)めは 名(な)もハナキネの
・人態(ひとなり)は 騒(いさ)ちお猛(たけ)ひ
・頻捲(しきま)きや

・世(よ)の隈(くま) 成(な)せは
・母(はは)の身(み)に 捨(す)て所(ところ)無(な)き
・世(よ)の隈(くま)を 我(わ)か身(み)に受(う)けて
・諸民(もろたみ)の 欠(か)けを償(つくな)ふ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります