現代語訳

オシホミミは遷都の前年にケタツボを慕って御幸をした
・タガ若宮に遷都されると、代殿のタカキネの娘のタクハタチチヒメ※を内宮に据えた
 ・また、12の局を備えて、婚儀の祝賀の準備をした
・そこで、アマテルはカンツカイ(神使)としてカルキミ※(オホナムチ)の子のシマツウシ※を派遣した
 ・シマツウシオシホミミの使者であるカスガマロ※との待ち合わせ場所である"ヲハシリの坂(箱根峠)"に向かった
 ・一方、カスガマロは既に着き、松の影に荷物を置いて待っていた
シマツウシが駒に乗って来てコトホキ※を終えると、互いに東西に帰って行った
 ・これにより、ヲハシリの坂は"ユキカヒサカ(往き交い坂)"と名付けられた
 ・また、秋に再び再会した時には、"ユキキノオカ(往き来の丘)"と名付けられた

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用語解説

・タクハタチチヒメ:タカキネの娘で、オシホミミの内宮。『記紀』でいう、タクハタチヂヒメに当たる
・カルキミ:津軽に国替えとなった後のオホナムチを指す
・シマツウシ:オホナムチの子(島津氏の先祖と推定される)
・カスガマロ:アマノコヤネの幼名。『記紀』でいう、アメノコヤネに当たる
・コトホキ:祝福・祝賀のような意味合いを指す

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原文(漢字読み下し)

・君(きみ)は去年(こそ) 壺(つほ)お慕(した)ひて
・御幸(みゆき)成(な)る タガの都(みやこ)を
・引(ひ)き移(うつ)し 代(かう)のタクハタ
・チチ姫(ひめ)と 十二(そふ)の局(つほね)も
・備(そな)われは 御内(みうち)の祝(いわひ)
・調(ととの)ひて

・神(かみ)に御告(みつ)けの
・官使(かんつかい) カル君(きみ)の子(こ)の
・シマツウシ 上(のほ)るホツマの
・ヲハシリの 坂(さか)に往(ゆ)き合(あ)ふ
・御使人(をしかと)は 御内(みうち)に侍(はへ)る
・カスガマロ 担(かたま)を据(す)えて
・松(まつ)の蔭(かけ)

・シマツは駒(こま)を
・乗(の)り放(はな)ち 言祝(ことほき)終(を)ゑて
・西東(にしひかし) 往(ゆ)き交(か)ひ坂(さか)の
・名(な)に残(のこ)る 秋(あき)帰(かえ)る時(とき)
・また会(あ)えは 往(ゆ)き来(き)の丘(おか)の
・名(な)こそ得(ゑ)る

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります