現代語訳

サルタはさらに"ムネ※""ミナモト※"、また"キツ※""タラ※"についても問うた
・すると、コヤネは このように答えた
 ・「万機(国の政)のムネ(中心)ミナモト(末端)は機の四辺と身頃に同じである
 ・また、"万"とは"緯糸を貫く数"で、"機""織ること"に同じである
 ・機の経糸は"形(骨格・主体)"であり、緯糸や紋様などの副を添えるのも、上にある主体に対するためである
 ・副が主を高めることこそが潤す経となり、代々の"満ち(成果)"となる
 ・矛(刑罰)の掟は、君主の恵みへのヨコマを滅ぼす端の抜きである(背く者を懲戒し、異端・ハタレを排除する)
 ・そして、ムネ・ミナモト(中と端)経・緯(主と副)の領分を正しく区別して"実(全体)"を治める
 ・八方の民を治めるのは、主を囲む臣の領分であるのだ
 ・また、骨(経)"タ(陽)"を源とし、肉(緯)"ラ(陰)"を源として生まれる
 ・それは日月の恵みを得てヒトナリとなって備わり、ヨカヒチの型を用いて"実(全体)"を治める
 ・故に恵みを知らなければ"形(骨格・基礎)"も無いのである
 ・よって、タラが育つには、日月の恵みに照らされる東西南北の中心に君が座し、そこから政を執る必要があるのだ
 ・このことから、万機は全て四方に備えるのである」

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用語解説

・ムネ:中心・中・主要部などの意味合いを持つ
・ミナモト:隅・末端などの意味合いを持つ(中心に対する末端)
・キツ:"発生と成熟"と"起りと至り"などの意味合いを持つ
・タラ:陽陰・日月・夫婦・父母など"相反する対の要素"を指す

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原文(漢字読み下し)

・サルタ問(と)ふ 宗(むね)と鄙下(みなもと)
・起尽(きつ)タラも コヤネ答(こた)えて

・万機(よろはた)の 宗(むね)・鄙下(みなもと)は
・四方(よか)・みとち 万(よろ)は縫(ぬ)ふ数(かつ)
・機(はた)は織(お)る

・衣(ころも)の経(たて)は
・形(かたち)なり 緯(ぬき)・紋(あや)帯(お)ふも
・上(かみ)の宗(むね)

・潤(うるほ)す経(たて)は
・弥々(よよ)の満(み)ち

・矛(ほこ)の掟(をきて)は
・御恵(みめく)みに 避曲(よこま)滅(ほろ)ほす
・端(はた)の抜(ぬ)き

・宗(むね)・鄙下(みなもと)の
・経(たて)・緯(ぬき)の 和(な)す方正(まさ)しく
・実(み)お治(をさ)む 八民(やたみ)治(をさ)むる
・四方(よも)の業(わさ)

・骨(ほね)はタの種(たね)
・肉(しし)はラに 生(う)まれ日月(ひつき)の
・潤(うるほ)いに 人態(ひとなり)備(そな)ふ

・四方一内(よかひち)の 型(かた)お用(もち)いて
・実(み)お治(をさ)む 恵(めく)み知(し)らねは
・形(かたち)無(な)し

・タラの育(そた)つも
・潤(うるほ)いも 照(て)る東西南北(きつさね)の
・中(なか)にいて 君(きみ)の治(をさ)むる
・政事(まつりこと)

・万機(よろはた)すへて
・四方(よも)お備(そな)えり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります