現代語訳

・このとき、アマノコヤネが謹んでモトモリ※(元守)についての説明を請うた
・すると、アマテルは再び詔をした
 ・「人は天地の象徴である(天地を模った物)
  ・天空はタカマノハラ※の一部であり、人の頭部に当たる
  ・その中でも目・鼻のように目立つ存在が日・月・星である
  ・目鼻が天なら、五腑六蔵はクニ(地)の道(道路)に当たる
  ・そしてナカコは君主(天皇)である
  ・肝臓は臣、脾臓は民、肺臓は垣(周囲)、腎臓は平らす(情報の流布)、すなわち腑は副手(宮中の補助役)に当たる
 ・ミヤビは目付(監査)で悪さを告げ、肺は垣として働く
  ・温度によって衣は変われど、ミヤビは欲に片寄らず(公正中立の意)
 ・時節に関わらず、脾臓は甘い物を貪るように働く
  ・これと同様に、民も聞こえの良い話や物には目が無い
 ・腎臓は息を巡らすが、色に溺れてラミ(霊実)を枯らす、これは身の鏡である
  ・これと同様に、兵士は流れに従うのみで、その結果が形として現れる
 ・このようなことから、ナカコ(心)は常に磨いていなければ、やがて曇り錆びて曲がっていく
 ・ナカコをヤタノカガミ(マフツノカガミ)に向かわせるためにあるのがモトノモリ(ムクラ=根の六臓)である
 ・ナカコの形は鏡である
  ・他人には覗けないものであるが、だからといって曲げてはならない
  ・多くの人は これを知らないが、ナカコの穢れはモトノモリに現れる
 ・天は風によって知り、地は埴が感受し、人は告げられて知る(身体の変調も含む)
  ・この三つによって罪が公になるため、罪から免れることは無いのである」

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用語解説

・モトモリ:天元(アモト)の8神が、人の誕生時に添える守を指す
・タカマノハラ:天界・非物質次元・霊界・全宇宙空間などの意味を指し、地上では その写しである中央政府のある地域を指す

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原文(漢字読み下し)

・謹(つつし)みて アマノコヤネか
・元守(もともり)を 請(こ)へはまた豊(とよ)
・御言宣(みことのり)

・人(ひと)は天地(あめつち)
・象(かたと)れり 空(そら)はタカマの
・原(はら)の内(うち) 目(め)・鼻(はな)に知(し)るも
・日(ひ)・月(つき)・星(ほし)

・五腑六臓(ゐわたむくら)も
・地(くに)の道(みち) 中子(なかこ)は君(きみ)そ
・肝(きも)は臣(とみ) 脾(よこし)は民(たみ)よ
・肺(ふくし)垣(かき) 腎(むらと)は平(な)らす
・腑(わた)副手(そえて)

・ミヤビ目付(めつけ)の
・悪(わる)さ告(つ)け

・肺(ふく)構(かま)えの
・暑(あ)つ冷(さ)むも 衣(ころも)替(か)ゆれと
・欲(ほ)しに染(し)む

・時(とき)はかまわす
・甘(あま)きには 脾(よこし)貪(むさほ)る
・心(こころ)指(さ)し

・腎(むらと)の息(いき)を
・巡(めく)らすも 色(いろ)に溺(おほ)れて
・霊実(らみ)枯(か)らす これ身(み)の鏡(かかみ)

・曇(くも)り錆(さ)ひ 奪(う)はる中子(なかこ)
・磨(みか)かんと ヤタの鏡(かかみ)に
・向(む)かわせて 磨(みか)く器(うつわ)は
・元(とも)の守(もり)

・中子(なかこ)の形(かたち)
・鏡(かかみ)そよ 人(ひと)見(み)ぬとても
・ぬすむなよ およその人(ひと)は
・知(し)らねとも 穢(みな)現(あらは)るる
・元(もと)の守(もり)

・天(あめ)は気(い)に知(し)る
・埴(はに)応(こた)ふ 人(ひと)は告(つ)け知(し)る
・この三(み)つに 継(つ)け露(あらは)れて
・公(ををやけ)の 罪(つみ)免(まぬ)かるる
・所(ところ)なし

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります