現代語訳

・纒向の日代の暦(景行)41年(上鈴828年)
 ・その後、ヤマトタケ荒ぶる神(イフキカミ)が荒れているとの話を聞いた
  ・そこでムラクモノツルギを解き置き、和幣も持たずに 軽んじて神方(伊吹山)に到った
  ・すると、行き行く道にイフキカミ※が大オロチの姿となって横たわっていた
 ・これを見たヤマトタケは、神とは知らずにオロチに「汝は荒ぶる神の使いか?だが、謙るには値せぬな」と言った
  ・そしてオロチを踏み越えて行けば、イフキカミは氷を降らせてヤマトタケの活力を奪った
  ・ヤマトタケは強いて凌ぎながら押し歩み、氷の中から僅かに出て行った
  ・この際、心が折れて身体も燃えるように熱くなったので泉にて冷ました、此処をサメガヰという

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用語解説

・イフキカミ:イフキヌシの神霊の名前と思われる(伊吹山の神の意かも知れない)

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原文(漢字読み下し)

・ヤマトタケ あらふる神(かみ)の
・荒(あ)るお聞(き)き 剣(つるき)解(と)き置(お)き
・軽(かろ)んして 到(いた)る神方(かみち)に
・和幣(にきて)無(な)く 行(ゆ)き過(す)く道(みち)に
・イフキ神(かみ) 大(を)オロチ成(な)して
・横(よこ)たわる

・神(かみ)とは知(し)らす
・ヤマトタケ オロチに曰(いわ)く
・これ汝(なんち) あれかた神(かみ)の
・使(つか)ひなり あに求(もと)むるに
・足(た)らんやと 踏(ふ)み越(こ)え行(ゆ)けは
・イフキ神(かみ) 氷(つらら)降(ふ)らして
・活(か)お奪(うは)ふ

・強(し)いて凌(しの)きて
・押(お)し歩(あゆ)み 僅(わつ)か出(い)て行(ゆ)く
・心(こころ)酔(よ)ひ 燃(も)ゆる如(こと)くに
・熱(あつ)けれは 泉(いつみ)に冷(さ)ます
・冷(さめ)か井(ゐ)や

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります