現代語訳

・(アマテルは続けた)
・「これ故にモノノベを四方に遣わして、アメノマスヒト(天の益人)と副官二人を置いている
・これらには清汚(善悪の判断)を数える道(警察権)を与え、汚が360位の天の回りに満ちれば殺す
 ・トホコノリ(経矛法)とは、これを言う
・もし誤った罪人が出ても、殺さずに捕らえてタマノヲ※を解けば、普通の民となると告げている
 ・かつてサホコ国のマスヒト(コクミ・シラヒト)が道を乱したため、これを召した
 ・これらを量刑すれば死罪となったが、恩赦を得て刑を逃れた
 ・しかし、また汚れたため、遂に天によって潰された
・これ故、汚の起こりを甘く見て、これを許せば民も皆 驕るようになる
 ・その例が、ムハタレの蜂起である
・例えれば、川の源の一滴によって流れが増して野田にまで溢れるようなものである
 ・人も同じく、一人でも許せば行く行くは万に群れて、その道を外れるであろう
 ・これを放置すれば、終いには四方の乱れとなる
 ・よって、源を改善しなければ、大水を成して防ぐことはできず、領さぜば治まらぬ」

※捕らえた罪人に対し、タマカエシの法を以って処刑することで、来世の幸福に繋げるという思想

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用語解説

・タマノヲ:魂と魄の結合を指し、心・精神などの意味合いも持つ

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原文(漢字読み下し)

・この故(ゆえ)に モノノベ四方(よも)に
・遣(つか)わして 天(あめ)マスヒトと
・副二人(そえふたり) 清汚(さか)お数(かそ)える
・道立(みちた)てて 汚(か)の三百六十位(みもむそゐ)
・天(あめ)の満(み)ち 及(およ)へは殺(ころ)す
・道(みち)はこれ

・もし誤(あやま)りて
・殺(ころ)さるも 敵(かたき)お捕(と)れは
・結(を)お解(と)くと 普(あまね)く民(たみ)に
・告(ふ)るるなり

・サホコの国(くに)の
・マスヒトか 道(みち)お乱(みた)れは
・これお召(め)す 糺(たた)せは殺(ころ)す
・罪(つみ)なるお 清(さ)お得(ゑ)て逃(のか)る
・またの汚(か)に 遂(つい)に天(あめ)より
・潰(つみ)せらる

・故(かれ)汚(か)起(おこ)りお
・容易(たやす)くに 許(ゆる)せは民(たみ)も
・皆(みな)驕(おこ)る これよりハタレ
・現(あらは)るる

・例(たと)えは川(かわ)の
・源(みなもと)の 一滴(ひとしつく)より
・流(なか)れ増(ま)し 野田(のた)に溢(あふ)るる

・人(ひと)もこれ 一人(ひとり)許(ゆる)せは
・万群(よろむ)れて その道(みち)悖(もと)る
・差(さ)し置(お)けは 終(つい)には四方(よも)の
・乱(みた)れなす

・これ源(みなもと)お
・直(たた)さねは 大水(おおみつ)成(な)して
・防(ふせ)かれす これ領(し)らすんは
・治(をさ)まらぬなり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります