現代語訳

【ふしとあわ海 みつの文(ふしとあわうみみつのあや)】

・この時、上鈴428年
 ・1月12日、アマツヒツキを受け継いだヤマトフトニ※のアマツキミは、斎名をネコヒコという
  ・諸が謀り、天の御孫(ニニキネ)の法を以って、御飾りを民に拝ませた
  ・また、母のオシヒメを上げて御上后とした
  ・去年の12月4日に黒田の廬戸宮に遷都して、今年初暦を定めた
・(孝霊)2年(上鈴429年)
 ・2月11日、磯城のオオメの娘のホソヒメを后(内宮)に立てた
  ・また、春日のチチハヤの娘のヤマカヒメをスケ后とした
  ・また、十市のマソヲの娘のマシタヒメをココタヘとした
  ・そのほか、内侍4人、乙侍、下侍も4人ずつ定めた
・(孝霊)3年(上鈴430年)
 ・春、オオミナクチオオヤクチが共にスクネに就いた
 ・夏、内侍のヤマトクニカが三つ子を生んだ
  ・名前は、ヤマトモモソヒメヰサセリヒコワカヤヒメ、これで皆である
  ・母は、これによりヤマトオオミヤメとなった
・(孝霊)11年(上鈴438年)
 ・冬、妹ハエヒメを内侍とした
・(孝霊)13年(上鈴440年)
 ・12月1日、ハエヒメも三つ子を生んだ
  ・名前は、上はヱワカタケヒコ、中はヒコサシマ、末はトワカタケヒトである
  ・この母も上げられ、ワカオオミヤメとなった
・(孝霊)18年(上鈴445年)
 ・春、1月15日、后のホソヒメが御子のヤマトネコヒコクニクル※を生み、斎名をモトキネとした
・(孝霊)25年(上鈴453年)
 ・いつも1月11日、県主を召せば、皆が物を賜えた

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用語解説

・ヤマトフトニ(ネコヒコ):7代孝霊天皇。『記紀』のオオヤマトネコヒコフトニに当たる
・ヤマトネコヒコクニクル:オオヤマトフトニとホソヒメの子で8代孝元天皇となる。『記紀』のオオヤマトネコヒコクニクルに当たる

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原文(漢字読み下し)

【ふしとあわ海(うみ) みつの文(あや)】

・時(とき)上鈴(あすす) 四百二十八年(よもふそやとし)
・一月十二日(はつそふか) 和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて ヤマトフトニの
・和(あま)つ君(きみ) 斎名(いむな)ネコヒコ
・諸議(もろはか)り 天(あめ)の御孫(みまこ)の
・法(のり)お以(も)て 民(たみ)に拝(おか)ませ
・母(はは)お上(あ)け 御上后(みうゑきさき)と
・去年(こそし)十二月(はす) 四日(よか)に黒田(くろた)の
・廬戸宮(いほとみや) 遷(うつ)して今年(ことし)
・初暦(はつこよみ)

・二年二月(ふとしきさらき)
・十一日(そひ)に立(た)つ 磯城(しき)のオオメか
・ホソ姫(ひめ)お 后(きさき)そ春日(かすか)
・チチハヤか ヤマカ姫(ひめ)なる
・スケ后(きさき) 十市(といち)マソヲか
・マシタ姫(ひめ) ココタエとなる
・内(うち)四人(よたり) 乙下(おしも)も四人(よたり)

・三年春(はる) オオミナクチと
・オオヤクチ 共(とも)にスクネと

・夏(なつ)内侍(うちめ) ヤマトクニカか
・三(み)つ子(こ)生(う)む 名(な)は皆(みな)ヤマト
・モモソ姫(ひめ) ヰサセリヒコに
・ワカヤ姫(ひめ) 母(はは)もヤマトの
・大宮(みや)姫(ひめ)

・十一年冬妹(そひふゆいもと)
・ハエお内(うち) 十三年十二月一日(そみしはすはつ)
・ハエ姫(ひめ)も また三(み)つ子(こ)生(う)む
・名(な)は兄(ゑ)ワカ タケヒコの中(なか)
・ヒコサシマ 弟(と)ワカタケヒコ
・母(はは)も上(あ)け 若大宮姫(わかおおみやめ)

・十八年(そやほ)春(はる) 一月十五日(はつもち)后(きさき)
・生(う)む御子(みこ)は ヤマトネコヒコ
・クニクルの 斎名(いみな)モトキネ

・二十五年(ふそゐ)春(はる) いつも一月十一日(はつそひ)
・アガタ召(め)し 皆(みな)物(もの)賜(たまわ)ひ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります