現代語訳

【ヒコ尊 ちを得るの文(ひこみことちおゑるのあや)】

・32鈴900枝23穂4月の初めのこと
ワケイカツチノアマキミ(ニニキネ)には深い思いがあって、オオシマを召してアワウミのミツホ宮を造らせた
 ・そして、完成した後にフトマニ※で吉日を選んで遷宮しようと決めた
・以前、父のオシホミミが果ててハコネノホラに入る前、母のチチヒメ※に遺言があった
 ・それは、イセに居るアマテルに朝夕仕えて奉ることだった
・それより10万年を経て、ニニキネは久しぶりにハコネを参詣し、幣を捧げた
 ・また、イセに御幸してアマテルおよびチチヒメを拝んだ
 ・そして、後にアワのミツホ国に遷宮した

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用語解説

・フトマニ:"すべてを映すもの"ということの意であり、アワノカミ(日本語の四十八音)を指す(言霊を用いた呪術)
・チチヒメ:タカキネの娘で、オシホミミの内宮。『記紀』でいう、タクハタチヂヒメに当たる

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原文(漢字読み下し)

【ヒコ尊(みこと) ちお得(ゑ)るの文(あや)】

・三十二鈴(みそふすす) 九百枝二十三穂(こもゑふみそほ)
・四月初(うつきはつ) ワケイカツチの
・天君(きみ)は 深(ふか)き思(おも)ひの
・あるにより オオシマおして
・アワ海(うみ)の ミツホの宮(みや)お
・造(つく)らしむ 成(な)れは日(ひ)お見(み)て
・移(うつ)らんと

・先(さき)にタラチヲ
・ひたる時(とき) ハコネの洞(ほら)に
・入(い)りますお 母(はは)チチ姫(ひめ)は
・言(こと)ありて イセに到(いた)りて
・御神(をんかみ)に 朝夕(あさゆふ)仕(つか)え
・奉(まつ)らしむ

・十万年(よそろとし)経(へ)て
・いまかれに ハコネに詣(もふ)て
・幣(ぬさ)捧(ささ)け それよりイセに
・御幸(みゆき)なる 御神(をんかみ)およひ
・チチ姫(ひめ)お 拝(おか)みてアワの
・ミツホ国(くに) 宮(みや)移(うつ)し成(な)る

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります