現代語訳

【ヒボコ来たる スマイの文(ひほこきたるすまいのあや)】

・この時、上鈴689年
 ・ネヤヱ春1月ツアトのヲミエ、皇子の斎名はヰソサチといい、42歳でアマツヒツキを受け継いだ
  ・そして、イクメイリヒコ※の天君となり、(ハラの法に則って)飾りを民に拝ませた
 ・君は生まれ付き真直ぐで、心ホツマに騙り無く、夢の徴によって君となって御代が始まった
 ・(10月11日)秋天に遅れ、冬に(父の)遺骸を納めた
 ・母のミマキヒメは79歳の時に御上后となり、大母のイカシコメは189歳で大御后となった
・(垂仁)2年(上鈴690年)
 ・2月、(ヒコヰマスの娘の)サホヒメを内宮に立てる
  ・纏向を新都として遷宮し、マキムキタマキミヤに遷る
 ・12月、(内宮のサホヒメが)御子のホンツワケを生むが、物を言わなかった
 ・任那よりソナカシチが派遣され、朝貢する
  ・その際、新御代の祝に大御酒を与えた
  ・なお、任那の君(ツノガアラシト※)に、賜物として5色のカツミネニシキの綾を100機を賜る
  ・これを以ってシホノリヒコが幟を立てて任那に送れば、道が開いた(国交が成った)
・(垂仁)3年(上鈴691年)
 ・1月、モロスケを臣に召す

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用語解説

・イクメイリヒコ:11代垂仁天皇。『記紀』のイクメイリビコイサチに当たる
・ツノガアラシト:朝鮮半島の加羅国君の御子で、崇神天皇に仕えて任那国を建国した。『記紀』のツヌガアラシトに当たる

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原文(漢字読み下し)

【ヒボコ来(き)たる スマイの文(あや)】

・時(とき)上鈴(あすす) 六百八十九年(むもやそことし)
・ネヤヱ春(はる) 一月(むつき)ツアトは
・ヲミヱ皇子(みこ) 斎名(いむな)ヰソサチ
・歳(とし)四十二(よそふ) 和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて イクメイリヒコ
・天君(あまきみ)と 飾(かさ)りお民(たみ)に
・拝(おか)ましむ

・君(きみ)生(うま)れ付(つ)き
・たた直(なお)く 心(こころ)ほつまに
・驕(おこ)り無(な)く 夢(ゆめ)の徴(しるし)に
・御代(みよ)の始(はつ)

・秋天(あきあ)に遅(おく)れ
・冬(ふゆ)納(おさ)め

・母(はは)今(いま)七十九歳(なそこ)
・御上(みうえ)とし 大母(おおはは)今年(ことし)
・百八十九歳(ももやそこ)

・二年二月(ふとしきさらき)
・サホ姫(ひめ)お 内(うち)宮(みや)に立(た)つ
・新都(にいみやこ) 遷(うつ)す纏向(まきむき)
・珠城宮(たまきみや)

・十二月(しはす)生(う)む御子(みこ)
・ホンツワケ 得(ゑ)もの言(い)わす

・任那(みまな)より ソナカシチして
・貢上(みつきあ)け 初御代(はつみよ)祝(いわ)ふ
・大御酒(ををんみき) 賜(たま)ひ賜物(たまもの)
・五色(ゐついろ)の 上熟錦(かつみねにしき)
・綾百機(あやもも) 任那(みまな)の君(きみ)に
・賜(たま)わりて シホノリヒコか
・幟(のほり)立(た)て 国(くに)に送(おく)れは
・道(みち)開(ひら)く

・三年一月(みほは)モロスケ
・臣(とみ)に召(め)す

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります