現代語訳

・(カスガは続けた)
 ・「女男は異なるものの、源は一つです
 ・夫は日であり、嫁は月です
  ・月は元は光っておらず、日を受けて影ができます(光ります)
  ・女男もこれと同様です
 ・日の道(太陽の軌道)はナカフシ※(中節)の外、月は内です
  ・よって、男は表業(家の外)で務め、女は内治め(家の中)でキヌツヅリ(衣綴り)をするのが良いでしょう
 ・また、家を治めるのは兄(長男)だが、病気や親の意に適わねば、弟に継がせてアコ(上子)とするべきです
  ・代を継ぐ者は譲り受け、浮橋(仲人)を得て結婚するべきです
  ・そして、睦まじく子を産み育て、また譲っていきます
 ・女は世に住む所を得ないため、親愛と協調の極みに居るべきです
  ・また、妙(美しい)言葉を吐くことを基本とするべきです
  ・夫の親は産みの親同然に親愛を以って老後を世話しなさい
  ・夫には操を立て、女が男の腹に居るが如く接すること、これが操を建てるということです(一途に尽くせ)
 ・女は名無しであり、家に嫁げば"誰々の内宮"と呼ばれます
  ・カルキミ(オホナムチ)のように乱れれば、"誰が内宮"か分からなくなるでしょう(妻が非常に多いため)
  ・宮に上がれば(家に入れば)内宮となり、君は恵みを国に広げます」

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用語解説

・ナカフシ:宇宙の中心にある天地の境目(地球からタカマノハラの果てまでの境目)を指す

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原文(漢字読み下し)

・女男(めを)違(たか)えと
・上(かみ)一(ひと)つ 夫(よをと)は日(ひ)なり
・嫁(よめ)は月(つき) 月(つき)は元(もと)より
・光(ひかり)無(な)し 日影(ひかけ)お受(う)けて
・月(つき)の影(かけ) 女男(めを)もこれなり

・日(ひ)の道(みち)は 中節(なかふし)の外(そと)
・月(つき)は内(うち) 男(をは)は表業(おもてわさ)
・務(つと)むへし 女(め)は内治(うちをさ)め
・衣綴(きぬつつ)り

・家(いゑ)を治(をさ)むは
・兄(あに)なれと 病(や)めるか 親(をや)に
・適(かな)わぬは 弟(おと)に継(つ)かせて
・上子(あこ)となせ

・代(よ)お継(つ)く者(もの)は
・譲(ゆつ)り受(う)け 橋得(はしゑ)て婚(とつ)き
・睦(むつま)しく 子(こ)お生(う)み育(そた)て
・また譲(ゆつ)る

・女(め)は世(よ)に住(す)める
・所(ところ)得(ゑ)す うまし・みやひの
・熟(ゑい)に居(お)れ 妙(たゑ)の言葉(ことは)に
・基(もと)むへし 背(をせ)のタラチは
・生(う)みの親(をや) 明(あ)け暮(く)れむへに
・うまし以(も)て 老(お)いに仕(つか)えよ

・夫(よをと)には 操(みさほ)お立(た)てよ
・妹(ゐも)の身(み)は 背(をせ)の央中(おなか)に
・居(お)る如(こと)く なせは操(みさほ)そ

・女(め)は名無(なな)し 家(いゑ)に婚(とつ)けは
・背(をせ)の名(な)に 誰(た)か内室(うちむろ)と
・カル君(きみ)も 乱(みた)れ許(ゆる)せは
・誰(たれ)内(うち)そ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります