現代語訳

【ほつま伝えを展ぶ(ほつまつたゑおのふ)】

アメツチノヒラケシ(天地の調和する)とき、二尊※トホコ※(経矛)を以って統治した
 ・その後、民が増えてくれば、アマテル神※の御鏡(ヤタカガミ)を追加してミクサノミタカラが成立した
 ・この御宝を授かったミマゴ(御孫)の臣民(臣と民)はミヤスシ※く治まった
・また、臣の祖(オミケヌシ※)の強いた諌めを畏れ、隠れ住んでいたスヱツミ※(タタネコ)は今再び召されることになった
 ・そのため、タタネコ※はアメニカエリノモフテモノ(返礼の捧げもの)としてホツマツタヱの40文が編纂した
 ・これは、キミガヨ(君が代)のスエノタメシ(末代までの規範)にするために畏れ多くもまとめたものである
 ・なお、これを見た者は、このように評した
  ・『地上の 心ほつまと 成る時は 花咲く代の 春や来ぬらん』
   ・(シワカミ(地上)の心がホツマと成る時は、花咲く代の春が来ないわけがない)
  ・『磯の地の 真砂はよみて 尽くるとも ほつまの道は 幾代尽きせじ』
   ・(磯の砂のように地上が尽きようとも、ホツマノミチは幾代も尽きることは無いだろう)
・そのため、ミワノトミのオオタタネコが捧げようと、234歳の時に謹んで記す

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用語解説

・二尊(フタカミ):イサナギ・イサナミのことで、『記紀』でいうイザナギ・イザナミに当たる
・アマテル神:イサナギ・イサナミの子であり、『記紀』でいうアマテラスに当たる。日月(太陽・太陰)の顕現と見なされる
・トホコ:ト(経)は「調の押手(法)」、ホコ(矛)は「逆矛(警察力)」を指す
・ミヤスシ:調和する様、健全なる様を指すと思われる
・オミケヌシ:オオタタネコの祖父。第9代開化天皇の臣。開化天皇が父・孝元天皇の妻を皇后としたことを諌めて失脚する
・スヱツミ:ここでは、失脚して卑しい身となったオミケヌシの子孫のオオタタネコを指す
・タタネコ(オオタタネコ):オミケヌシの孫。オオミワ神の斎主。『ホツマツタヱ』の編者

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原文(漢字読み下し)

【ほつま伝(つた)ゑを展(の)ふ】

・天地(あめつち)の 平(ひら)けし時(とき)に
・二尊(ふたかみ)の 経矛(とほこ)に治む
・民(たみ)増(ま)して アマテル神(かみ)の
・御鏡(みかかみ)を 足(た)して三種(みくさ)の
・御宝(みたから)を 授(さつ)く御孫(みまこ)の
・臣民(たみたみ)も みやすければや
・臣(とみ)か祖(おや) しいる諌(いさ)めの
・畏(おそ)れみに 隠(かく)れ住(す)みゆく
・末(すえ)つ身(み)を 今(いま)召(め)さるれば
・その恵(めく)み 天(あめ)に返(かえ)りの
・詣(もふ)て物(もの)

・ホツマツタヱの
・四十文(よそあや)を 編(あ)み奉(たてまつ)り
・君(きみ)か代(よ)の 末(すえ)の例(ためし)と
・ならんかと 畏(おそ)れみながら
・つほめ置(お)く これ見(み)ん人(ひと)は

・地上(しわかみ)の 心(こころ)ほつまと
・成(な)る時(とき)は 花(はな)咲(さ)く代(みよ)の
・春(はる)や来(き)ぬらん

・磯(いそ)の地(は)の 真砂(まさこ)は熟(よ)みて
・尽(つ)くるとも ほつまの道(みち)は
・幾代(いくよ)尽(つ)きせじ

・ミワの臣(とみ) ヲヲタタネコが
・捧(ささ)げんと 二百三十四歳(ふもみそよとし)
・謹(つつ)しみて押(を)す

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります