現代語訳

【神乗り粥の文】

タチバナモトヒコは、このように語って聞かせた
 ・「根の国の大人・治人が奉じる神の御供はこれである
 ・11月末のユミハリ(当時)にはカミノリカヰに、黒豆、大麦、小豆と七菜の米
 ・そして粥を炊いてウケミタマとヰハシラを祀る(新嘗祭)
 ・年越しは大麦、小豆に米を蒸らす
 ・そして、トシノリ(歳徳神)とヤマサ(八将軍)の神を呼んでオニヤラヰ(鬼遣らい)を成す
 ・1月7日の朝は、ナナクサミソにて五臓を治す
 ・1月15日の朝は、ムワタマツリを行って、米と小豆でカミアリカユを作る
 ・なお、ツチキミのシムノマツリでは、大豆・小豆にサカメと七菜の米を炊き、アマコノカミが見知る粥を作る
 ・このように、身を治める業を著す文にして、幾年にもおよんで万民の道標として代々伝えている」
タチバナモトヒコの話を聞いたタケウチは、東国主導の道となるべくネココロ(本性)を明かして帰って行った

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

【神乗(かみの)り粥(かゐ)の文(ふみ)】

・根(ね)の国(くに)の 大(おほ)きの奉(まつ)る
・神(かみ)の御供(みけ) 十一月(ねしも)の末(すえ)の
・弓張(ゆみはり)に 神乗(かみの)り粥(かゐ)は
・黒豆(くろまめ)と 大麦(うむき)と小豆(すめ)と
・七菜(なな)の米(よね) 粥(かゐ)に炊(かし)きて
・ウケミタマ 五柱(ゐはしら)祭(まつ)り

・年越(としこえ)は 大麦(うむき)と小豆(すめ)と
・米(よね)蒸(む)ます トシノリヤマサ
・鬼(おに)遣(や)らゐ

・一月七日朝(むつきなあさ)は
・七草(ななくさ)の ミソに五臓(ゐくら)や

・十五日(もち)の朝(あさ) 六腑(むわた)纏(まつ)りは
・米(よね)と小豆(すめ) 神現(かみあ)り粥(かゆ)そ

・辻君(つちきみ)の シムの纏(まつ)りは
・大豆(まめ)・小豆(すめ)に 盛豆(さかめ)と七菜(なな)の
・米(よね)炊(かし)き 天九(あまこ)の神(かみ)の
・見知(みし)る粥(かゐ)

・身(み)お治(し)る業(わさ)の
・幾多(いくさわ)に 歳(とし)永(なか)らえて
・万人(よろひと)の 道(みち)の標(しるへ)と
・現(あ)る文(ふみ)お 代々(よよ)に伝(つた)ふる
・タケウチは 遂(つい)に中(なか)らふ
・瑞(みち)となるかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります