現代語訳

ニニキネオオモノヌシ(クシヒコ)を召して「フトマニをして、宮造りの法を定めよ」と詔した
モノヌシ(クシヒコ)はこれを受けて法を定めた
 ・まず、ソマ(きこり)を召して、木を伐らせた
  ・キヤヱ(干支)を吉日としてテオノソメ(手斧初め)とした
 ・ネシヱ(干支)に礎柱を立てて、中・隅柱を南向き(正門を南に合せ)にし、北・東・西の順に巡り立てる
 ・シマカラフカト(締枯生門)の位置は、中・隅(柱)によって定める
 ・ムネアケ(棟上げ)はツアヱ(干支)に祝う
 ・アカコワヰ(赤炊飯)を用意する
  ・アメヒトツキ(陽陰と日月)に13膳を捧げる
  ・8膳をアモト(八元神)に捧げて棟に据える
  ・また、餅366個と弓矢を添えておく
  ・また、ヰクラノカミ※(五座神)には赤炊飯5膳を捧げる
  ・また、トシノリタマメ※ムワタノカミ※(六腑神)には赤炊飯7膳を捧げる
 ・また、皆にヒトヨミキ(一夜酒)を振る舞い、サイオフル(刃物を振う)
 ・そして、棟とハシラネ(柱根)に槌を打つ(槌打の儀)

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用語解説

・ヰクラノカミ:クニトコタチの子のトシノリタマメが生んだ「キツヲサネ」の五神を指す
・トシノリタマメ:トシノリ神 (ヱト守神) を治める者を指す
・ムワタノカミ:クニトコタチの子のトシノリタマメが生んだ「アミヤシナウ」の六神を指す

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原文(漢字読み下し)

・フトマニに 宮造(みやつく)り法(のり)
・定(さた)めよと オオモノヌシに
・御言宣(みことのり)

・モノヌシ受(う)けて
・法(のり)定(さた)む まず杣人(そま)おして
・木(き)お伐(き)るは キヤヱの日好(ひよ)し
・手斧(ておの)初(そ)め

・ネシヱ礎(しすゑ)
・柱立(はしらた)て 中(なか)・隅柱(すみはしら)
・南(みなみ)向(む)き 北(きた)・東(ひかし)・西(にし)
・回(まわ)り立(た)つ

・締枯生門(しまからふかと)
・中(なか)・隅(すみ)に よりて定(さた)むる

・棟上(むねあ)けは ツアヱに祝(いは)ひ
・赤炊飯(あかこわゐ) 十三膳(そみかしは)陽陰(あめ)
・日(ひ)と月(つき)と 八膳(やかしは)天元(あもと)
・棟(むね)に据(す)ゑ 餅(もち)三百六十六(みもむそむ)
・弓矢(ゆみや)添(そ)え

・柱(はしら)に奉(たてまつ)る
・五座(ゐくら)の五(ゐ) トシノリタマメ
・六腑(むわた)の七(な) 皆(みな)一夜酒(ひとみき)
・サイお振(ふ)る 棟(むね)と柱根(はしらね)
・槌(つち)お打(う)つ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります