現代語訳

・代嗣社が成ったとき、オシクモは「ナアテ(名宛)がありません」との申し出があった
・そこで、コヤネがフトマニで占った
 ・『ヤセヒメが好いかもしれない
 ・八一(ヲヤマ)のいわれは、中が"ヤ"となる(中のヤ=ナカノヤ=内宮と掛かる)
 ・"シのハラ"は母として孕むことを意味する
 ・故に"ヤ"の局、またはウチ侍は中の位である』
・これにより、ウガヤは年の若いヤセヒメを娶って内宮とし、その他の11后も用意して皆に祝われた
 ・そして、オシクモに清めさせた代嗣社にて祈ると、その甲斐があって姫は懐妊した
 ・なお、その15ヵ月後に生んだことからヰツセ※君と名付けられた
 ・しかし、ヤセヒメは宮に入る前に亡くなってしまい、神となった

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用語解説

・ヰツセ:ウガヤとヤセ姫の子で、タケヒト(神武)の異母兄。『記紀』でいうイツセに当たる

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)にオシクモ
・名(な)宛無(あてな)し コヤネフトマニ
・占(うらな)えは ヤセ姫(ひめ)好(よ)けん
・八一(やひ)の謂(ゐ)は 中(なか)のヤとなる
・シのハラは 母(はは)と孕(はら)める
・ヤの局(つほね) 内侍(うちめ)は中(なか)の
・位(くらい)なり

・年(とし)も若生(わかは)の
・ヤセ姫(ひめ)お 十一(そひ)の后(きさき)も
・皆(みな)祝(いは)ふ オシクモ清(きよ)め
・代嗣社(よつきや)に 祈(いの)れは著(しる)し
・孕(はら)み得(ゑ)て 十五月(そゐつき)に生(う)む
・ヰツセ君(きみ) ヤセ姫(ひめ)宮(みや)に
・入(い)るる間(ま)に 費(つ)い神(かみ)となる

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります