現代語訳

・守議にて、ソサノヲは心を寄せたシムノウタ(統の歌)を披露した
 ・これをもってソサノヲのミノチリ(実の塵=心の汚れ)は濯がれたと認められ、ヒカワカミ※のヲシテ(璽)を賜った
・また、ソサノヲはハタレネ(アメノオシヒ)討伐の功績を讃えられ、サホコ国の国守に正式に任じられた
 ・これによってヤヱガキハタ(八重垣旗)を賜り、天への復帰を果たした(下民から臣へと身分の改正が行われた)
ソサノヲが国守となると、かつての叢雲は消え失せた
 ・そして、アマテルの恵みが行き届き、スガハ(汚穢が祓われた清しい地)となった
 ・以後、宮の名を"クシイナタ"とし、サホコ国の国名も"イツモ(出雲)"と改めた
ソサノヲは、アメノミチ(陽陰の道)を以って民を治めた
 ・また、宮殿の造営中にイナタヒメが孕んだので、これを記念に歌を詠んだ
  ・『八雲たつ 出雲八重垣 妻籠めに 生え画(産屋)造る その栄え 堅磐』
  ・(穢汚隈は去ったので私は貴霊に仕える汚穢垣となろう、身籠った妻のために産屋を造ろう、この繁栄に限界は無し)
ソサノヲはこの歌をワカヒメに捧げると、八雲打ちの琴の奏法を授かった
 ・この琴の音に合せてイナタヒメに歌うと、遂にクシタエ(奇跡)が現れた(クシキネ誕生の予感)
 ・よって、この琴歌をヤヱカキウチノコトウタ(八重垣内の琴歌)と名付けた

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用語解説

・ヒカワカミ:オヱ・クマを除いたソサノヲに贈られた贈名(後にヤマトタケによって大宮に祀られる)

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原文(漢字読み下し)

・諸(もろ)守議(かみはか)り
・ソサノヲか 心(こころ)お寄(よ)する
・統(しむ)の歌(うた) 実(み)の塵(ちり)放(ひ)れは
・汚(かは)消(き)えて 賜(たま)ふヲシテは
・ヒカハ尊(かみ)

・ハタレ根(ね)を討(う)つ
・功(いさおし)や そこに基(もとゐ)を
・開(ひら)くへし 八重垣旗(やゑかきはた)も
・賜(たま)はれは 再(ふたた)ひ上(のほ)る

・陽陰(あめ)晴(は)れて 敬(うやま)い詣(もふ)す
・貴霊(くしひ)寄(よ)り 清郷(すかは)に屹(きつ)く
・宮(みや)の名(な)も クシイナタなり
・サホコ国(くに) 代(か)えてイツモの
・国(くに)はこれ

・陽陰(あめ)の道(みち)以(も)て
・民(たみ)和(やす)く 宮(みや)成(な)らぬ間(ま)に
・イナタ姫(ひめ) 孕(はら)めは歌(うた)に

・八雲(やくも)たつ 出雲八重垣(いつもやゑかき)
・妻籠(つまこ)めに 生(や)ゑ画(かき)造(つく)る
・その栄(や)ゑ 堅磐(かきわ)

・この歌(うた)お 姉(あね)に捧(ささ)けて
・八雲打(やくもう)ち 琴(こと)の奏(かな)てを
・授(さつか)りて 歌(うた)に合(あわ)せる
・イナタ姫(ひめ) 遂(つい)に奇妙(くしたえ)
・現(あわは)れて 八重垣(やゑかき)現(う)ちの
・琴歌(ことうた)そ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります