現代語訳

・ある日、タカマの御幸の後、セオリツヒメモチコ・ハヤコを呼び出して詔した
 ・「貴方たち姉妹君(アマテル)の関係は、もはや冷飯食い同然です(信頼を失って冷遇されている)
 ・そのため、ツクシに行って蟄居(ちっきょ)しなさい
 ・子に関しては、男は父に、女は母に付くのが習わしです
 ・よって、タナキネ(ホヒ)はこちらで引き取る故、三姫子は共に連れて行って養育しなさい
 ・ツクシでは暮らせる用意はしてあります
 ・しばらく待っていれば、時を見て再び戻る機会を知らせましょう」
セオリツヒメは、このようにして納得のいくよう丁寧に姉妹を諭した
・一方、ツクシではアカツチ※がタカマの要請を受けており、姉妹を受け入れるようにウサの宮を改築していた
 ・しかし、姉妹は北局にトヨヒメが置かれたことに怒り、三姫子の養育を放棄してウサを逃亡した
 ・このことが内宮に報告されると、トヨヒメがウサに派遣されて養育を命じられた

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用語解説

・アカツチ:ハヤスフヒメの父、アシナツチの兄

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原文(漢字読み下し)

・ある日(ひ)タカマの
・御幸後(みゆきあと) モチコ・ハヤコを
・内(うち)に召(め)す

・日(ひ)に向(むか)つ姫(ひめ)
・宣給(のたま)ふは 汝(なんち)ら姉妹(ゑと)か
・御気(みけ)冷(ひ)えて ツクシに遣(や)れは
・噤(つく)みおれ タナキネは取(と)る
・男(を)は父(ちち)に 女(め)は母(はは)に付(つ)く
・三姫子(みひめ)も 共(とも)に下(くた)りて
・養(ひた)しませ 必(かなら)す待(ま)てよ
・時(とき)ありと むへ懇(ねんころ)に
・諭(さと)されて

・ツクシ アカツチ
・これお承(う)け ウサの宮居(みやゐ)を
・改(あらた)めて モチコ・ハヤコは
・新局(あらつほね) 置(お)けは怒(いか)りて
・養(ひた)しせす 内(うち)に告(つ)くれは
・トヨ姫(ひめ)に 養(ひた)し奉(まつ)らし

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります