現代語訳

・(アマテルは続けた)
・「昔、ナカクニ※ウケモチ※が、尊のウケナ※(食菜)を天界に乞うた
 ・すると、ヒヨウルタネ※(日・夜潤種)が下された
・ヒル(日潤)によって成長するウルノソ(潤の繁)はウルタ(潤田)の種である(昼に育つのは田んぼの種)
 ・ヨルナミ(夜霊波)によって成長するナロナ(和菜)は畑の種である(根菜類を指すとされる)
・なお、クニトコタチのアメマツル(陽陰祭)には、供物として木の実が供えられた
 ・また、クニサツチが生んだウケモチの8代孫が、今のカダ※である
ウケモチは、8月初日(八朔)に成った初穂をトヨクンヌシ※に奉った
 ・すると、トヨクンヌシは赤白黄のユフニキテ(斎和幣)を奉り、アメナカヌシ※の神を祀った
 ・ソロ(稲)の果実のミケは臼を以って精米し、初日(元旦)には粥と汁にして食べた
 ・また、ウヒチニ※の御代は毎月祭りを開いた」

<<前   次>>

用語解説

・ナカクニ:本州の中央部(ヒタカミ・根国・サホコチタルを除く本州)
・ウケモチ:トヨクンヌシと同世代のカミで、農耕の道を開いた(天に還ってからは稲荷神のタオウケモチとなる)
・ウケナ:食用の植物のこと
・ヒヨウルタネ:ウケモチが天から与えられたウルナミとヨルナミによって育つ種
・カダ:ウケモチの8代目に当たり、稲作と養蚕の道を伝えたことでカダノカミとなる(ホツマでは稲荷神の一つになる)
・トヨクンヌシ:クニサツチの代嗣の御子で、クニトコタチの第三世代の君に当たる
・アメナカヌシ:陽陰を分け現す元であり、宇宙の根源神であるとされる
・ウヒチニ:トヨクンヌの後を継いだ四代目の君であり、夫婦となった史上初の男尊である

<<前   次>>


原文(漢字読み下し)

・昔(むかし)中国(なかくに)
・ウケモチの 尊(かみ)か食菜(うけな)を
・天(あ)に乞(こ)ゑは 日(ひ)・夜潤種(ようるたね)を
・地(わ)に下(くた)す

・日潤(ひうる)に生(は)ゆる
・潤(うる)の繁(そ)は 潤田(うるた)の具(そな)ゑ
・夜霊波(よるなみ)に 生(は)ゆる和菜(なろな)は
・畑(はた)の種(たね)

・クニトコタチの
・陽陰(あめ)祭(まつ)る 御供(みけ)は木(こ)の実(み)か

・クニサツチ 生(う)むウケモチの
・八代(やよ)の孫(まこ) 今(いま)のカダなり

・ウケモチか 八月(はつき)初日(はつひ)に
・成(な)る果穂(はつほ) トヨクンヌシに
・奉(たてまつ)る

・尊(かみ)は赤白黄(かしき)の
・斎和幣(ゆふにきて) 天中主(あめなかぬし)の
・神(かみ)祭(まつ)る

・ソロの果実(ほつみ)の
・御供(みけ)もまた 臼搗(うすつき)き精(しら)け
・初日(はつひ)には 粥(かゆ)と汁(しる)とそ
・ウヒチニは 月毎(つきこと)祭(まつ)る

<<前   次>>

現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります