現代語訳

・(カナサキは続けた)
 ・「その後、二柱(二尊)はウキハシに得たオノコロ(国家)にヤヒロトノ(中心御殿)を造り、そこをナカハシラ(都)とした
 ・そして、柱を巡って子を儲けようとコトアゲ(事物を現す宣言)し、女は左より、男は右より分かれ回って会う時に声を掛け合った
  ・その際、女尊は『ああ素晴らしく愛しい男』と言い、男尊は『なんと嬉しい愛しい乙女』と言う
 ・その歌の後にイサナミは子を孕んだが、月が満ちる前に胞衣を破って生まれてしまった
 ・この子はヒヨルコ※と名付けられたが、泡のように流れて行ってしまったため、これは子に数えられなかった
 ・よってアシフネに乗せられて淡路に流された」

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用語解説

・ヒヨルコ:二尊の第二子だが、未熟なまま生まれたために葦船で流された。『日本書紀』でいうアワシマに当たる

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原文(漢字読み下し)

・後(のち)に
・二柱(ふたはしら) うきはしに得(ゑ)る
・オノコロの ヤヒロの殿(との)に
・立(た)つ柱(はしら) 回(めく)り生(う)まんと

・言挙(ことあ)けに 女(め)は左(ひたり)より
・男(を)は右(みき)に 分(わか)れ回(めく)りて
・会(あ)ふ時(とき)に 女(め)はあなにえや
・愛(ゑ)おとこと 男(を)はわなうれし
・愛(ゑ)おとめと

・歌(うた)ひ孕(はら)めと
・月(つき)満(み)てす 胞衣(ゑな)破(やふ)れ生(う)む
・ヒヨルコの 泡(あわ)と流(なか)るる
・これも未(ま)た 子(こ)の数(かす)ならす
・葦船(あしふね)に 流(なか)す淡路(あはち)や

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります