現代語訳

・(カスガは続けた)
・「アメヒツキを御子のオシヒト(オシホミミ※)が譲り受けると、(首都は)ヒタカミに戻って治められた
 ・西のヤスカワはオモイカネ※が治め、御使人を分けてトツクニ(四国)はツキヨミ※が治めた
 ・シラヤマカミ(ヤソキネ※)はネノクニを、スミヨロシ(カナサキ※)はツキスミ(筑紫)を治めた
・アマテル神はコヱクニのイサワ宮の大内宮に居て、国政を執った
 ・そこで民にイセノミチ(妹背の道)を教えた
・その神風(神形)のイセ(妹背)の国を通って立ち富む神風(神活せ)を羨みねじける化物が現れた
 ・それは自らを褒めるハタレ君であり、70万9000を群れ集めて地を乱した
 ・これに、スミヨロシカトリ※カシマ※イフキヌシ※カダ※タチカラヲ※クスヒ※らが皆 器を得てこれを打った
 ・これを持って蜂起したムハタレは皆降った、臣らに与えた器こそ、スヘカミの詔である
・御子のオシヒトが30万端(30万年+α)を治めれば、(アマテルは)その御子のテルヒコ※にトクサタカラを与えた
 ・テルヒコは十種宝を持って駆け巡り、ソラミツヤマトに到ってアスカ宮を築いた」

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用語解説

・オシホミミ:アマテル神とセオリツヒメの御子であり、『記紀』でいうオシホミミに当たる
・ツキヨミ:イサナギとイサナミの御子であり、『記紀』でいうツクヨミに当たる
・ヤソキネ:トヨケの子で6代目タカミムスビに当たり、カンミムスビともいう。『記紀』でいうカミムスビに当たる
・カナサキ:いわゆる住吉神であり、アマテルの后の一人であるハヤアキツヒメの父に当たる
・フツヌシ(カトリ):アマノコヤネの叔父に当たり、『日本書紀』でいうフツヌシに当たる
・タケミカツチ(カシマ):ヲバシリの子であり、ムハタレ討伐やカシマ立ちで活躍する。『記紀』でいうタケミカヅチに当たる
・イフキヌシ:ツキヨミの子であり、ムハタレ討伐などで活躍した
・カダ:ウケモチの8代目に当たり、稲作と養蚕の道を伝えた(ホツマでは稲荷神の一つになる)
・タチカラヲ:オモイカネとヒルコの子であり、『記紀』でいうタヂカラオに当たる
・クスヒ(クマノクスヒ):アマテルの御子の一人で、イサナギによってクマノカミ(イサナミ)の祭主を任じられた
・テルヒコ(クシタマホノアカリ):オシホミの長男で『日本書紀』でいう天照國照彦火明命(九段一書 八)に当たる

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原文(漢字読み下し)

・和日月(あめひつき) 御子(みこ)のオシヒト
・譲(ゆつ)り受(う)け 元(もと)のタカヒに
・領(し)ろし召(め)す 西(にし)はヤスカワ
・オモイカネ 御使人(をしかと)分(わ)けて
・突国(くに)は ツキヨミ治(をさ)む
・シラヤマは 根(ね)にツキスミは
・スミヨロシ

・アマテル神(かみ)は
・還国(くに)の イサワ大内(をうち)の
・宮(みや)に居(い)て 八(や)つ御耳(をんみみ)に
・聞(き)こし召(め)し 民(たみ)の教(をし)ゑは
・妹背(いせ)の道(みち)

・その神形(かんかせ)の
・妹背(いせ)の国(くに) 通(とほ)り立(た)つ富(と)む
・神活(かんかせ)せ 羨(うら)み拗(やみねし)け
・化(は)け物(もの)か 自(みつか)ら褒(ほ)めて
・ハタレ君(きみ) 七十万九千(なはかりこち)お
・群(む)れ集(あつ)め 国(くに)お乱(みた)れは
・スミヨロシ カトリ・カシマや
・イフキヌシ カダ・タチカラヲ
・クスヒ守(かみ) 皆(みな)器得(うつわえ)て
・これお打(う)つ 時(とき)に六(む)ハタレ
・皆降(みなくた)る これ皇尊(すへかみ)の
・御言宣(みことのり)

・御子(みこ)オシヒトも
・三十万端(みそよろは) 治(をさ)めて御子(みこ)の
・ホノアカリ 十種宝(とくさたから)に
・駆(か)け恵(めく)り 空(そら)みつヤマト
・アスカ宮(みや)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります