現代語訳

・(崇神)4年(上鈴624年)
 ・10月23日、君が詔を発した
  ・「上祖より授かったミクサモノ(三種物)はこれである
   ・クニトコタチよりカンヲシテ(文)
   ・アマテル神よりヤタカガミ(鏡)
   ・オオクニタマ(クシヒコ)よりヤヱガキノツルギ(剣)
  ・今まではこれらを常に祀って身と神との際を離さず、殿も床も器(三種器)と共に住んできた
  ・しかし、これは畏れ多いことであり、いつも安心することが出来ない
  ・故にアマテル神(八咫鏡)はカサヌヒに遷して、トヨスキヒメ※に祀らせる
  ・オオクニタマ(八重垣剣)はヤマベノサトに遷して、ヌナギヒメに祀らせる
  ・なお、イシコリトメの子孫に、アメヒトカミ(アマメヒトツ)の子孫に新たに造らせる
  ・そして、これらをアマテラスカミノヲシテと合せ、この三種をアマツヒツキノカンタカラとする」

※鏡と剣のレプリカを造り、それを宮中に安置していわゆる三種の神器とした

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用語解説

・トヨスキヒメ:崇神天皇の皇女で、アマテル神の初の斎宮となった。『記紀』でいうトヨスキイリヒメに当たる

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原文(漢字読み下し)

・四年十月二十三日(よほめすえみか)
・御言宣(みことのり) 上祖(みをや)の授(さつ)く
・三種物(みくさもの) クニトコタチは
・上(かん)ヲシテ アマテル神(かみ)は
・ヤタ鏡(かかみ) オオクニタマは
・八重垣(やゑかき)と 常(つね)に纏(まつ)りて
・身(み)と神(かみ)と 際(きは)遠(とほ)からす
・殿(との)・床(ゆか)も 器(うつは)も共(とも)に
・住(す)み来(きた)る

・やや稜威(いつ)畏(おそ)れ
・安(やす)からす アマテル神(かみ)は
・笠縫(かさぬひ)に トヨスキ姫(ひめ)に
・纏(まつ)らしむ オオクニタマは
・ヌナギ姫(ひめ) 山辺(やまへ)の里(さと)に
・纏(まつ)らしむ イシコリトメの
・孫鏡(まこかかみ) アメヒト守(かみ)の
・孫剣(まこつるき) 新(さら)に造(つく)らせ
・あま照(て)らす 上(かみ)のヲシテと
・この三種(みくさ) 和(あま)つ日月(ひつき)の
・上宝(かんたから)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります