現代語訳

・こうなる以前のこと、ハラ宮のオシクモをタガ宮に召し左臣とした
 ・また、オシクモの弟のヒタチは若いため、阿波のコトシロヌシ(ツミハ)に預けた
 ・また、オシクモはハラのミシマミゾクイとハラカラの仲であったため、西・東を通い勤めて釣り合いを取った
ツミハヤヱコトシロヌシ※(ツミハ)はミシマを経由してハラに行き、またミシマからイヨに行った
 ・ツミハミシマミゾクイの娘のタマクシヒメを娶って間に子を儲けた
 ・これにより、ワニに乗って阿波に帰ることになったが、その途中に子が生まれた
 ・その子は斎名をワニヒコと言い、名前をクシミカタマ※という
 ・また、次の子は斎名をナカヒコと言い、名前をクシナシという
 ・クシミカタマは後にアオカキトノに住むことになる
・また、以前に筑紫のカンタチは、ソヲのフナツの娘のフトミミをヤスで娶ってフキネを生んだ
 ・この後、カンタチフトミミは諸共に神となった
 ・コモリ・カンタチの亡き後はフキネオオモノヌシとなり、トヨツミヒコと共に筑紫32県を治めた
 ・また、筑紫でノワサ(和業)を教えて民を潤わせた

<<前   次>>

用語解説

・ツミハヤヱコトシロヌシ(ツミハ):コモリの二男。ニニキネのオオモノヌシで、コモリのコトシロヌシとなる
・クシミカタマ:ツミハとタマクシヒメの子。オホナムチを助けた神霊であるクシヰワザタマの顕現とも

<<前   次>>


原文(漢字読み下し)

・これの先(さき) ハラのオシクモ
・召(め)し上(ほ)す 弟(おとと)ヒタチは
・若(わか)き故(ゆえ) 阿波(あは)のコトシロ
・侍(はへ)る宮(みや)

・ハラカラなれは
・西(にし)・東(ひかし) 通(かよ)ひ勤(つと)めて
・要(かなめ)締(し)む 名(な)もツミハ八重(やゑ)
・コトシロか ミシマに到(いた)り
・ハラに行(ゆ)き またミシマより
・伊予(いよ)に行(ゆ)く

・遂(つい)に因(ちな)みて
・ミゾクイの タマクシ姫(ひめ)も
・孕(はら)む故(ゆえ) ワニ乗(の)り阿波(あは)へ
・帰(かえ)る内(うち) 生(う)む子(こ)の斎名(いみな)
・ワニヒコは クシミカタマそ
・次(つき)の子(こ)は 斎名(いみな)ナカヒコ
・クシナシそ 青垣(あおかき)殿(との)に
・住(す)ましむる

・先(さき)にツクシの
・カンタチは ソヲのフナツの
・フトミミお ヤスに娶(めと)りて
・フキネ生(う)む 後(のち)もろともに
・神(かみ)となる オオモノヌシは
・フキネなり トヨツミヒコと
・治(をさ)めしむ 和業(のわさ)教(をし)えて
・民(たみ)お潤(う)む

<<前   次>>

現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります