現代語訳

・(カナサキは続けた)
 ・「二尊は、地のアワウタ※によって治まるハラミノミヤに座し、既に八州の地を生んだ
 ・そして『どうにかして(地を治める)君(日嗣)を生もう』と言い、ヒノカミ(アマテル※)を生んだ
  ・その御子の名をウホヒルギ※もしくはアマテラスヲヲンカミ※と称えた
 ・二尊は地を麗しく照り通るクシヒル※の子を留めては置けないと、天※(ヒタカミ)に送った
 ・そして、"アメノキ※""ミハシラノミチ※"を御子に奉った
  ・故にハラミをオオヒヤマ※とした
  ・また、トヨケ※は考えて御子にワカヒトという斎名を捧げた」

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用語解説

・アワウタ:陽陰を現す歌であり、二尊は天のアワウタ24音と地のアワウタ24音の計48音を合せて国を生んだとされる
・アマテル:イサナギ・イサナミの子であり、『記紀』でいうアマテラスに当たる。日月(太陽・太陰)の顕現と見なされる
・ウホヒルギ:アマテル神(いわゆる天照大御神)の幼名で、誕生時に自ら名乗ったとされる
・アマテラスヲヲンカミ:"和して照らす大いなる神"の意であり、アマテルのことを指す
・天(アメ):中央政府を指し、この当時はヒタカミ(仙台周辺)であったとされる
・クシヒル:貴く神秘的なエネルギーを指す(いわゆる"くしび"と同じ)
・アメノキ:固有名詞だが詳細は不明(書物の名前と推察される)
・ミハシラノミチ:固有名詞だが詳細は不明(書物の名前と推察される)
・オオヒヤマ:現在の富士山に当たる
・トヨケ:イサナミの父であり、五代目タカミムスビに当たる。いわゆる豊受大神に当たり、多大な功績を遺した

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原文(漢字読み下し)

・アワ歌(うた)に 治(をさ)むハラミの
・宮(みや)に居(ゐ)て 既(すて)に八州(やしま)の
・地(くに)生(う)みて 如何(いか)んそ君(きみ)お
・生(う)まんとて 日(ひ)の神(かみ)お生(う)む

・その御名(みな)お 太陽霊貴(うほひるき)また
・和照(あまて)らす 大御神(をおんかみ)とそ
・称(たた)えます 地(くに)麗(うるわ)しく
・照(て)り通(とほ)る 貴霊(くしひる)の子(こ)は
・留(とと)めすと 天(あめ)に送(おく)りて
・天地(あめ)の起(き)と 御柱(みはしら)の道(みち)
・奉(たてまつ)る

・故(かれ)にハラミお
・大日山(おおひやま) トヨケ考(かか)ゑて
・ワカヒトと 斎名(いみな)お捧(ささ)く

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります