現代語訳

・一方、ソサノヲは怒りに身を任せて悪事の数々を働いた
 ・まず、ノシロ※(罵)、シキマキ※(頻捲き)、アオハナチ※(穢汚放ち)をした
 ・また、新嘗祭のカンミハ(神御衣)を織るヰンハトノ(斎衣殿)を穢した
ハナコソサノヲを注意すると、斎衣殿に籠って扉を閉ざした
 ・しかし、ソサノヲは注意されたことに激怒し、フチコマ※を屋根に向かって投げ入れた
 ・ハナコは驚愕して杼(ヒ)によって事故死してしまった(杼に破れとある)
ハナコの死に悲しんだアマテルは、激怒してソサノヲの反抗心を正す歌を詠んだ
 ・『天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり』
 ・(天下は調和して恵みを得るものだ、従って日月あってこその民の父母なのだ)

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用語解説

・ノシロ:興奮して勇み叫ぶ様を指す
・シキマキ:暴れ、荒れ狂う様を指す(ホツマツタヱでは田を破壊するような描写は見られない)
・アオハナチ:穢れた気を放つ様を指す
・フチコマ:斑模様の馬(もしくは、太って立派な馬)

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原文(漢字読み下し)

・ソサノヲ仕業(しわさ)
・あちきなく 罵(のしろ)・頻捲(しきま)き

・穢汚(あお)放(はな)ち 祈(いの)らす御衣(みそ)の
・新嘗(にいなめ)の 神御衣(かんみは)織(お)れは
・殿(との)穢(けか)す

・これ正(たた)されて
・ソサノヲが 一人(ひとり)被(かふむ)る
・斎衣殿(ゐんはとの) 閉(と)つれは怒(いか)る
・太駒(ふちこま)を 甍(ゐらか)穿(うか)ちて
・投(な)け入(い)るる

・ハナコ驚(おとろ)き
・杼(ひ)に破(やふ)れ 神(かみ)更(さ)りますと
・泣(な)く声(こえ)に 君(きみ)怒(いか)りまし
・ソサノヲに 汝(なんち)汚(きた)なく
・地(くに)望(のそ)む 道(みち)なす歌(うた)に

・天(あめ)か下(した) 和(やわ)して恵(めく)る
・日月(ひつき)こそ 晴(は)れて明(あか)るき
・民(たみ)の父母(たら)なり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります