現代語訳

・それから8万年を経て、ヒタカミの君(オシホミミ)から皇孫諸共(テルヒコ・ニニキネ)が召された
・そこで、ツボワカミヤに上れば、父帝(オシホミミ)から御子二方に詔があった
 ・「私もとうとう年老いてしまった故、直に果てるであろう
 ・そこで、兄(テルヒコ)はヤマトのアスカヲキミを名乗るがよい
 ・そして、ハラヲキミ(ニニキネ)と共に睦まじく、ヱトカミがその日、その民を守るが如く治めよ
 ・兄弟(テルヒコ・ニニキネ)よ確と聞け、国民を我がものとしてはならぬ
 ・君はその民の君である、つまり、民のために君が在るのだ
 ・治めとはハコネ※(日月の巡幸)、二重(昼夜二重)の恵みである
 ・カ(明)に愛でる君はカ(明)も為し、また蓋も為す(君は日の如くあるべきである)
 ・よって、神の鏡(日月の写し)であるアマテラスヒツキの君(アマテル)と共に我もハコネを守ろう」
オシホミミは最後の詔を終えると、ヰツヲバシリ※の洞穴に自ら入ってハコネカミとなった

※以後、アスカ(恐らく畿内)とハラ(恐らく東海・関東)は分立することになる

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用語解説

・ハコネ:"日月が交替で天を巡って地を恵むこと"を指す
・ヰツヲバシリ:トヨケの孫で、タケミカツチの父に当たる。『記紀』でいう、イツオハシリに当たる

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原文(漢字読み下し)

・八万年(やよろとし)経(へ)て
・ヒタカミの 君(きみ)より召(め)せは
・諸共(もろとも)に 宮(みや)に上(のほ)れは
・父帝(ちちみかと) 御子(みこ)二方(ふたかた)に
・御言宣(みことのり)

・我(われ)齢(よわい)老(お)い
・ひたる故(ゆえ) 今(いま)より兄(あに)も
・名(な)はヤマト アスカ央君(きみ)と
・ハラ央君(きみ) 共(とも)に睦(むつ)みて
・ヱト神(かみ)の その日(ひ)その民(たみ)
・守(も)る如(こと)く

・兄弟(ゑと)確(し)かと聞(き)け
・国民(くにたみ)お 我(わ)かものにせな
・君(きみ)はその 民(たみ)の君(きみ)なり

・治(た)は運廻(はこね) 二重(ふたゑ)恵(めく)みそ
・かに愛(め)てる 君(きみ)は明(か)も為(な)し
・蓋(ふた)も為(な)し

・神(かみ)の鏡(かかみ)の
・和照(あま)らす 日月(ひつき)の君(きみ)と
・守(まも)る運廻(はこね)そ

・終(つい)に掘(ほ)る ヰツヲハシリの
・洞穴(ほらあな)に 自(みつか)ら入(い)りて
・運廻神(はこねかみ)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります