現代語訳

・葛城に新都を建てて遷宮が成った年は、上鈴134年ツアト春であった
 ・初日サナヱにはコトホキをし、末一日サヤヱに若宮の斎名はヤスキネとなり、齢は52歳であった
・アマツヒツキを受け継いでカヌカワミミの天君となり、タカオカミヤに座してハツコヨミを発布した
 ・また、上代の例(ハラノノリ)に倣って御飾りを民に拝ませ、母を上げてミウヱキサキ(皇太后)とした
・9月20日ツミヱにタケヒトの遺骸をカシオに送り、御供にはアラヒツヒメワニヒコ(クシミカタマ)が付いた
 ・そこでトハズカタリ(死者との対話)を為して侍れば、君・臣共に洞に入り、神となった
 ・翌日 それを聞いた者が追い罷り、その数は33人に至った(神武天皇の殉死者数は33人だった)
 ・そして、その33人はヨニウタフウタ(後世に残る歌)を歌ったという
  ・『天御子が 天に還れば 三十三追う 忠も操も とおる天かな』

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・新都(にいみやこ) 葛城(かつき)に建(た)てて
・宮(みや)遷(うつ)し ここに迎(むか)へる
・時(とき)上鈴(あすす) 百三十四年(ももみそよとし)
・ツアト春(はる) 初日(はつひ)サナヱの
・言祝(ことほき)し 末一日(すえひか)サヤヱ
・若宮(わかみや)の 斎名(いむな)ヤスキネ
・歳(とし)五十二(ゐそふ)

・和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて カヌカワミミの
・天君(きみ)と 高丘宮(みや)に
・初暦(はつこよみ) 上代(かみよ)の例(ためし)
・御飾(みかさ)りお 民(たみ)に拝(おか)ませ
・母(はは)お上(あ)け 御上后(みうゑきさき)と

・九月(なかつき)の 二十日(ふそか)ツミヱに
・骸(おもむろ)お 白檮尾(かしお)に送(おく)り
・装(よそお)ひは アヒラツ姫(ひめ)と
・ワニヒコと 問(と)わす語(かた)りお
・為(な)し侍(はへ)る 君(きみ)・臣(とみ)共(とも)に
・洞(ほら)に入(い)り 神(かみ)となること
・翌日(あす)聞(き)きて 追(お)ひ罷(まか)る者(もの)
・三十三人(みそみたり) 世(よ)に歌(うた)う歌(うた)

・天御子(みこ)か 天(あめ)に還(かえ)れは
・三十三(みそみ)追(お)ふ 忠(まめ)も操(みさほ)も
・徹(とほ)る天(あめ)かな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります