現代語訳

・その時にフタヱが「ところで新たな暦名は如何しますか?」と問うた
・すると、タナコ(イチキシマヒメ)父神(アマテル)の神霊に懸かって答えた
 ・「真榊の齢20年の延長(通常よりも20年延びた)も、この木のアノイノチ(上の命令?)である
 ・カスガも齢が長いのだから、そなたが名付けるべし」
・その時、カスガはやや笑んで「暦名は"アスス"としましょう」と言った
 ・それにタナコや諸守も共に納得し、"上鈴"に決まった
・21穂のキナヱの春、アメフタヱによって"アススコヨミ※(上鈴暦)"と改名され、アヅサに彫られて奉られた
・上鈴暦を諸共に受けて、この世の業をカンカミル(明暗を見る)のが暦(=ヒヨミ)である

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用語解説

・アススコヨミ:50鈴1000枝21穂に当たる「キナヱ」の年から新しく導入された暦(初年は上鈴21年とされる)

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)にフタヱか
・暦名(な)は 如何(いか)かなさんや

・時(とき)に姫(ひめ) タラチヲ神(かみ)に
・懸(か)り言(い)わは ススキは齢(よわひ)
・二十年(はたとせ)の 延(の)ひもこの木(き)の
・上(あ)の命(いのち) カスガも齢(よわい)
・長(なか)けれは これ名(な)付(つ)くへし

・時(とき)カスガ やや笑(え)み曰(いわ)く
・暦名(こよみな)お あすすとせんや
・時(とき)に姫(ひめ) 両守(もろかみ)ともに
・宜(むへ)なりと 上鈴(あすす)に極(きわ)め
・二十一穂(ふそひほ)の キナヱの春(はる)は
・アメフタヱ 上鈴暦(あすすこよみ)と
・名(な)お代(か)えて 梓(あつさ)に彫(ほ)りて
・奉(たてまつ)る

・上鈴暦(あすすこよみ)お
・諸受(もろう)けて この世(よ)の業(わさ)お
・鑑(かんか)みる 暦(こよみ)これなり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります