現代語訳

ヤマトタケは足の傷を慰めながらイササカに到ったが、痛みが酷くなったので村に入った
 ・この村はヤマトタケの足の痛みが妙に酷くなった場所なので"ミヱムラ"と名付けられた
・その後、ツヱツキサカ(杖衝坂)も越えてノボノ(能褒野)に到ったが、このとき痛みが重くなったことで死期を悟った
 ・そこで、虜5人(津軽・陸奥の国造5人)を宇治(伊勢)に派遣して、オオカシマの添人とした
 ・一方、キビタケヒコは都方に向かわせることとし、そこでヤマトタケの言葉を文に留めさせた
  ・「ハナヒコ(ヤマトタケ)が申します
  ・臣(ヤマトタケ)は御言を受けてホツマ(東国)を討ち、天の恵みと稜威によって荒ぶる守も服従させました
  ・これらを悉く治めて今ここに帰れば、命が尽きる日もやってこようとしています
  ・願わくば、いつの日にか御言を返したく思っております
  ・(私は)野に臥す身で、誰と語っているでもなく文を残すということは、きっと心残りがあるのでしょう
  ・ですが、これが実現できないこともまた、アメノノリなのでしょう」
 ・キビタケヒコが文を届けると、ヤマトタケはこのように言った
  ・「私は東西を平定して事を成したが、身を滅ぼして僕らを安心させる日も無かった」
 ・そして、ナツカハギを召してハナフリを皆に分け与えさせたときに、ヤマトタケはこのように言った
  ・「歌を読めば、アツタノカミとハヤナル(もとに返る)」
 ・こうして湯を浴びて衣を替え、南(伊勢)に向って人身を辞した(肉体の命が終わった)
 ・そして最期に歌を残した

【熱治宣(アツタノリ)】

・「辞む時、東西の使人として父母に仕えて満たなかったが、サコクシロカミノヤテにより導かれて人生を楽しんだ
・帰ろうにも天より誘いが来たならば、懸梯を渡って昇り、霞(あの世)の楽しみを曇(クモヰ)にて待つと人に答えよう」

ヤマトタケは、この熱治宣を百回歌いながら、眼を閉じて神となった
 ・(ヤマトタケの死に関しては)どうしようもなかったので、後も営みをして歌(熱治宣)は尾張のミヤズヒメに預けた

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・いささかに 慰(なくさ)み行(ゆ)けと
・足(あし)傷(いた)み 妙(みゑ)に曲(ま)かれは
・妙村(みゑむら)そ 費(つゑ)え尽(つ)き境(さか)も
・やや越(こ)えて 能褒野(のほの)に傷(いた)み
・重(おも)けれは 虜(とりこ)五人(ゐたり)お
・宇治(うち)に遣(や)り カシマ尊(みこと)の
・添人(そえひと)そ

・キビタケヒコは
・都方(みやこち)え 上(のほ)せ申(もふ)さく
・その文(ふみ)に

・ハナヒコ申(もふ)す
・臣(とみ)昔(むかし) 御言(みこと)お受(う)けて
・ホツマ打(う)ち 天(あめ)の恵(めく)みと
・稜威(いつ)により あらふる守(かみ)も
・服(まつろ)えは 悉(ふつ)く治(をさ)めて
・今(いま)ここに 帰(かえ)れは命(いのち)
・夕付(ゆふつ)く日(ひ) 乞(こ)ひ願(ねか)わくは
・何時(とき)の日(ひ)か 御言(みこと)返(かえ)さん
・野(の)に臥(ふ)して 誰(たれ)と語(かた)らん
・惜(お)しむらく 見(み)えぬことよ
・陽陰(あめ)の法(のり)かな

・文(ふみ)留(とと)めて 君(きみ)曰(いわ)く我(われ)
・東西(きつ)お平(む)け 事成(ことな)れは身(み)お
・滅(ほろ)ほせる 僕(かれ)ら安(やす)ます
・日(ひ)も無(な)きと ナツカハギして
・ハナフリお みな分(わ)け賜(たま)ひ
・歌(うた)詠(よ)めは アツタの神(かみ)と
・早(はや)なると 湯浴(ゆあ)み衣(は)お替(か)え
・南(さ)に向(むか)ひ 人身(ひとみ)辞(いな)むの
・歌(うた)はこれそと

【熱治宣(あつたのり)】

・辞(いな)む時(とき) 東西(きつ)の使人(しかち)と
・父母(たらちね)に 仕(つか)え満(み)てねと
・サコクシロ 神(かみ)の八手(やて)より
・道(みち)受(う)けて 生(うま)れ楽(たの)しむ
・還(かえ)さにも 誘(いさな)ひちとる
・懸梯(かけはし)お 登(のほ)り霞(かすみ)の
・楽(たの)しみお 曇(くもゐ)に待(ま)つと
・人(ひと)に答(こた)えん

・百歌(うた)ひ なから眼(め)お閉(と)ち
・神(かみ)となる 為(な)すこと無(な)くて
・営(いとな)みす 歌(うた)は尾張(おはり)へ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります