現代語訳

・もしも、12子を産んだ母は月の位を授かる
 ・また、1回の妊娠で3つ子を産めば三光の幸がある(ニニキネの例)
 ・これらは、ホツマ国が治まった後に天地にあまねく広まった
フツヌシ※"カトリの道"を悉くコヤネ※に授けて隠れた(神上がり)
 ・また、"カシマの道"の奥義も皆 コヤネに授けられた
 ・また、カスガドノ(ココトムスビ)のタマカエシの奥義もコヤネに授けられた
 ・このことから、コヤネカシマ・カトリ・カスガ・イキスの四方の祀りを一人で引き継いだ
 ・なお、これらの道は自ら一人に決着させた
・また、かつてカシマカミ(タケミカツチ※)は、娘を生み際に妻が名を請うても決めかねた
 ・そこで「偶然できた一人娘だ、姫はヒメである、また生んだなら区別のために斎名を付けよう」と言った
 ・以後、タケミカツチに子が出来なかったことから、ヒメキミ※は姫尊とばかり呼ばれるようになった
 ・コヤネはこの故事を以って"初は姫君"と宣言した(一姫二太郎の由来)
・また、月(毎月の区別)の名も、栲の奥法(子種の原理)に由来することになった(睦月、如月など)
 ・この謹みのヒタチオビこそ、いとも畏き教えである

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用語解説

・フツヌシ:アマノコヤネの叔父に当たり、『日本書紀』でいうフツヌシに当たる
・コヤネ(アマノコヤネ):ココトムスビの子のカスガの尊名。『記紀』でいうアメノコヤネに当たる
・タケミカツチ:ヲバシリの子であり、ムハタレ討伐やカシマ立ちで活躍する。『記紀』でいうタケミカヅチに当たる
・ヒメキミ:タケミカツチの一人娘で、アマノコヤネの妻となる。斎名は無いためヒメと呼ばれ、区別のために君・上が付く

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原文(漢字読み下し)

・もしも十二子(ふそこ)を
・生(う)む母(はは)は 月(つき)の位(くらい)そ

・一孕(ひとはら)み 三(み)つ子(こ)を生(う)めは
・三光(みひかり)の 幸(さいわ)ひありと
・上(あめ)に継(つ)く あまねく布(ふ)れて

・ホツマ国(くに) 治(をさ)まる後(のち)に
・フツヌシの カトリの道(みち)を
・悉(ことこと)く コヤネに授(さつ)け
・隠(かく)れます

・カシマの道(みち)の
・奥(おく)も皆(みな) コヤネに授(さつ)く
・カスガ殿(との) 霊還(たまかえ)しなす
・奥法(おくのり)も コヤネに授(さつ)く
・この故(ゆえ)に 四方(よも)の纏(まつ)りも
・自(おの)つから 一人(ひとり)に着(つ)けり

・カシマ尊(かみ) ヒメ生(う)む時(とき)に
・母(はは)か名(な)を 請(こ)えと名付(なつ)けす
・稀(まれ)一人(ひとり) 姫(ひめ)はヒメなり
・また生(う)まは 紛(まき)れんために
・斎名(いみな)せん

・まつ姫尊(ひめかみ)と
・はかり言(い)ふ 故(ゆえ)にコヤネも
・弥々(よよ)宣詞(のりと) 初(はつ)は姫君(ひめきみ)

・月(つき)の名(な)も 栲(たえ)の奥法(おくのり)
・謹(つつ)しみの 直(ひた)ち帯(おひ)こそ
・いとも畏(かしこ)し

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります