現代語訳

・この時、上鈴243年ツミヱ春
 ・1月ツウヱの9日キシヱ、アマツヒツキを受け継いで、カヱシネ※のアメノスベラキミとなった
  ・そして、天の法に則って飾りを民に拝ませた
 ・4月5日、母のアメトヨツヒメを上げて御上后とした
 ・また、葛城掖上のヰケココロに遷都した
 ・また、ハツトシには、イツシココロをケクニヲミ(供国の大臣)とした
 ・君が齢31歳の時には局を定めた
  ・ワカハヱの娘のヌナギヒメをスケ后とした
  ・サタヒコの娘のオオヰヒメは、長橋にてヲシテを扱う仮スケとした
  ・そして、内侍6人、下侍4人、青侍30人を定めた
・(孝昭)29年(上鈴271年)
 ・キシヱ1月3日にヨソタリヒメを内宮に立てた、この時に姫は15歳であった
  ・なお、昔 ヤヒコ(タカクラシタ)ユリヒメ(イスキヨリヒメ)を与えて生んだのがアメヰタキである
  ・そのアメヰタキの子のアメオシヲの孫娘に当たるのが、このヨソタリヒメである
・(孝昭)31年(上鈴273年)
 ・内宮の兄のオキツヨソがケクニヲミに就いた
・(孝昭)45年(上鈴287年)
 ・5月15日、内宮のヨソタリヒメが生む子は、斎名をオシキネというアメタラシヒコクニの御子である
・(孝昭)49年(上鈴291年)
 ・キミヱ初日(元旦)、内宮のヨソタリヒメが生む子は、斎名オシヒトというヤマトタリヒコクニ※の御子である
  ・この御子は生まれる時に朝日(初日の出)が輝いて生まれた(アマテルと同様の生まれ方)
・(孝昭)68年(上鈴310年)
 ・1月14日にオシヒトを若宮とする、この時 若宮は齢12歳であった
  ・この翌年にオシキネをヲキミとし、春日県を与えた
・(孝昭)83年(上鈴325年)
 ・秋8月5日に君が罷る、享年103歳であった
  ・臣・后らは皆集まり留まり、喪に仕えた(48夜を終えても引き続き神霊を祀った)
  ・皇子のオシヒトは神を祀った、このとき齢35歳であった
  ・そして、親に継いで民を治めた
 ・これ故に兄親君のオシキネオシヒトに従った
  ・その際、子のオオヤケアワタオノカキモトイチシら十臣も付き従った
 ・なお、君は毎年の8月5日(孝昭天皇の命日)にヤヨノモマツリを催行した

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用語解説

・カヱシネ:5代孝昭天皇。『記紀』のミマツヒコカエシネに当たる
・ヤマトタリヒコクニ:孝昭天皇とヨソタリヒメの子で6代孝安天皇となる。『記紀』のヤマトタラシヒコクニオシヒトに当たる

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)上鈴(あすす) 二百四十三年(ふもよそみとし)
・ツミヱ春(はる) 一月(むつき)ツウヱは
・九日(こか)キシヱ 和(あま)つ日月(ひつき)お
・受(う)け継(つ)きて カヱシネ天(あめ)の
・皇君(すへらきみ) 飾(かさ)り拝(おか)ませ

・四月五日(うつきゐか) 御上后(みうゑきさき)と
・母(はは)お上(あ)け

・葛城(かつき)掖上(わきかみ)
・池心(ゐけこころ) 都(みやこ)遷(うつ)して

・初年(はつとし)に イツシココロお
・ケクニ臣(とみ)

・君(きみ)歳(とし)三十一(みそひ)
・境岡(さかいおか) 若宮(わかみや)の時(とき)
・ワカハヱか ヌナギ姫(ひめ)はスケ
・サタヒコか 姫(ひめ)のオオヰ姫(ひめ)は
・長橋(なかはし)に ヲシテ扱(あつか)ふ
・仮(かり)スケよ 内侍(うちはへ)六人(むたり)
・下四人(しもよたり) 青侍(あおめ)三十人(みそたり)

・二十九年(ふそことし) キシヱ一月三日(はつみか)
・后(きさき)立(た)つ ヨソタリ姫(ひめ)の
・歳(とし)十五(そゐ)そ 昔(むかし)ヤヒコに
・ユリ姫(ひめ)お 賜(たまわ)えは生(は)める
・アメヰタキ 子(こ)のアメオシヲ
・孫娘(まこむすめ) ヨソタリはこれ

・三十一年(みそひとし) 内宮(うちみや)の兄(あに)
・オキツヨソ なるケクニ臣(とみ)

・四十五年(よそゐとし) 五月十五日(さつきそゐか)に
・后(きさき)生(う)む 斎名(いむな)オシキネ
・アメタラシ ヒコクニの御子(みこ)

・四十九年(よそことし) キミヱ初日(はつひ)に
・后(きさき)生(う)む 斎名(いむな)オシヒト
・ヤマトタリ ヒコクニの御子(みこ)
・生(う)む時(とき)に 朝日(あさひ)輝(かかや)き

・六十八年(むそやとし) 一月十四日(むつきそよか)に
・オシヒトお 若宮(わかみや)となす
・歳(とし)二十(はたち) 翌日(あす)オシキネお
・親君(をきみ)とし 春日(かすか)お賜(たまわ)ふ

・八十三年(やそみとし) 秋(あき)八月五日(はつきゐか)
・君(きみ)罷(まか)る 歳(とし)百十三(ももそみ)そ
・臣(とみ)后(きさき) 皆(みな)留(とと)まりて

・喪(も)に仕(つか)ふ 皇子(みこ)神(かみ)祭(まつ)る
・歳(とし)三十五(みそゐ) 親(をや)に継(つ)かえて
・民(たみ)治(をさ)む

・故(ゆえ)兄親君(あにをきみ)
・諾(うえな)ひて その子(こ)オオヤケ
・アワタ・オノ カキモト・イチシ
・十臣(そとみ)忠(まめ)

・君(きみ)年毎(としこと)の
・八月五日(はつきゐか) 八夜(やよ)の喪祭(もまもり)
・誠(まこと)なるかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります