現代語訳

キビタケヒコは都に帰って、皇(景行天皇)ヤマトタケの文を捧げた
 ・すると、皇は気が抜けて味も感じなくなり、終日嘆いて、このように詔した
  ・「昔、クマソが背いた時も、(ヤマトタケは)まだアゲマキにしてままならないのに平定を成功させた
  ・これを以って、左右(に代わって)に侍らせて補助をさせ、適役が居ないことを忍んで敵を討ちに向かった
  ・それより、明けても暮れても帰る日を待ったが、これは何に対する禍なのか
  ・縁も無くて(寿命を全うしないまま)天に召されるとは、誰の御業として治めればよいのか」
 ・皇は詔した後、ヤマトタケのカミオクリ(神送り)をした
  ・そのとき、オモムロ(遺骸)がイトリ(斎鳥)となって出て行った
  ・そこで、諸が御陵の御棺を見に行けば、(ヤマトタケの)冠と櫛と御衣裳に所に留まった
 ・このムナシキカラのシライトリを追い尋ねれば、ヤマトのコトヒキハラの尾羽は4枝落ちていた
  ・また、カワチのフルイチには、4羽が落ちていたので、あちらこちらを御陵と成した
  ・すると、シラトリ(白鳥)も終いには曇に向かって飛び上がって行った
  ・この尾羽はあたかもカミノヨ(天皇の代)のヨハキシ(穢れを祓うもの)のようであった
  ・故にキツ(東西・起尽)も皆、満ちれば欠けるアメノリなのである

<<前   次>>

用語解説



<<前   次>>


原文(漢字読み下し)

・キビ上(のほ)り 文(ふみ)捧(ささ)くれは
・皇(すへらき)は 気(き)も安(やす)からす
・味(あち)あらす 終日(ひめもす)嘆(なけ)き
・宣給(のたま)わく 昔(むかし)クマソか
・背(そむ)きしも また総角(あけまき)に
・平(む)け得(え)たり 左右(まて)に侍(はへ)りて
・助(たす)けしに ホツマお打(う)たす
・人(ひと)無(な)きお 忍(しの)ひて仇(あた)に
・入(い)らしめは 明(あ)け暮(く)れ帰(かえ)る
・日(ひ)お待(ま)つに 此(こ)はそも何(なん)の
・禍(わさはひ)そ 縁(ゆくり)も無(な)くて
・天(あ)から召(め)す 誰(たれ)と御業(みわさ)お
・治(をさ)めんや 諸(もろ)に宣(のり)して
・神送(かみおく)り

・時(とき)に骸(おもむろ)
・なる斎鳥(いとり) 出(い)つれは諸(もろ)と
・御陵(みささき)の 御棺(みひつ)お見(み)れは
・冠(かんむり)と 笏(さく)と御衣裳(みはも)と
・留(とと)まりて 空(むな)しき殻(から)の
・白斎鳥(しらいとり) 追(お)ひ尋(たつ)ぬれは
・大和国(やまとくに) 琴弾原(ことひきはら)に
・尾羽(おは)四枝(よえた) 置(お)きて河内(かわち)の
・古市(ふるいち)に また四羽(よは)落(お)つる
・其所此所(そこここ)に 成(な)す御陵(みささき)の
・白鳥(しらとり)も 終(つひ)に曇(くもゐ)に
・飛(と)ひ上(あ)かる

・尾羽(おは)は恰(あたか)も
・上(かみ)の治(よ)の 世掃(よはき)しそこれ
・東西(きつ)も皆(みな) 足(た)せは罷(まか)れる
・陽陰法(あめのり)そ

<<前   次>>

現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります