現代語訳

アマカミ(天尊)によって代々治められていた治世が、スヘラカミ(地尊)に移った
・ユキ・スキの宮では、山海とト尊霊がハニスキノナメヱに付随して祀られた
 ・これにより、人草(人民)の幸の祝福が祈られた
ウガヤは常にタダスノトノに居て、そこから遍く治めれば、民も豊かな日々を送ることができた
 ・サクスズが成る度にマサカキを植え継いで7鈴(42万年)に及んだが、なお豊かであった
・49鈴911枝初穂キアヱ1月3日のこと、コヤネがこのように申し上げた
 ・「君は今、御祖の道に則って治められております
 ・それ故に人草の親をはじめ、天地の神も下るミヲヤカミとなっております
 ・しかし、ヨヨノミヲヤ(幾代の流れの源泉)を受け継ぐ代嗣子がおりません
 ・12の后を如何しましょうか?」
ウガヤはこれに答えて言った
 ・「私もそれを思っていたが、齢は既に13鈴(78万歳)となった
 ・ここまで年老いてしまっては、種もないであろう」
・それにコモリが答えて「その対策はヨツギフミ※にあります」と申し上げた
・そこで、ウガヤはそれを実践すべく、アマノオシクモを召して代嗣社を造らせた

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用語解説

・ヨツギフミ:代嗣を得る文のことで、代嗣となるべき者の魂魄をオロチの悪影響から保護するとされる

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原文(漢字読み下し)

・天神(かみ)と代々(よよ)
・皇尊(すへらかみ) ユキ・スキの宮(みや)
・山海(やまうみ)と ト尊(みこと)霊(たま)は
・埴(はに)スキの 嘗会(なめゑ)に付(つ)けて
・人草(ひとくさ)の 祝祈(ほきいの)るなり

・悉尊(ふたかみ)は 常(つね)にタダスの
・殿(との)に居(い)て あまねく治(をさ)む
・民(たみ)豊(ゆた)か さく鈴(すす)成(な)れは
・植(う)え継(つ)きて 七鈴(なすす)及(およ)へと
・なお豊(ゆた)か

・四十九(よそこ)の鈴(すす)の
・九百十一枝(こもそひゑ) 初穂(はつほ)キアヱの
・一月三日(はつみか)に コヤネ申(もふ)さく
・君(きみ)は今(いま) 御祖(みをや)の道(みち)に
・治(をさ)む故(ゆえ) 人草(ひとくさ)の親(をや)
・天地(あめつち)の 神(かみ)も下(くた)れは
・御祖尊(みをやかみ) 代々(よよ)の上祖(みをや)の
・嗣子(つきこ)無(な)し 十二(そふ)の后(きさき)も
・如何(いか)なるや

・時(とき)に天君(きみ)
・我(われ)思(おも)ふ 十三鈴(そみすす)老(を)いて
・種(たね)あらし コモリ申(もう)さく
・代嗣文(よつきふみ) ありとてアマノ
・オシクモに 宣(のり)して代嗣(よつき)
・社(やしろ)成(な)す

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります