現代語訳

・(トヨケは続けた)
 ・「この形は天の左右の射の方角の中心に立つ(中心に直立)、これが地を治め平らげるカミカタチ※である
 ・"ホ"の神は東北にて嘗(ト元神の守)を引き継いで、地の精霊の招く2陰を守る
 ・その2陰を以って7月を先行すれば、2陽に2陰を和して風となす
 ・また、7日に績む木綿と麻を以ってヲトタナバタノホシマツリ※を為す
 ・15日には、天にある御祖(先祖)とイキタマ(地に生きる子孫)に胞衣(親)のハスケ(蓮葉)と子の飯を擬える
  ・そして、地と天が再開すれば、天を仰いで踊り、霊気を受けるのである(阿波踊り)
 ・8月初日にはウケマツリ(収穫祭)を行い、2陰が起こす風によって草木がなぎ倒される
  ・荒れ廃れれば衰弱し、それがソロ(作物)を害せば、シナドマツリにてノワキを討つ蝕の祓いを為す」

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用語解説

・カミカタチ:ここでは"神霊が形をとった姿"を指す
・ヲトタナバタノホシマツリ:陰暦7月7日に行う、サコクシロに坐す元明の49神を慕い敬う祭のこと

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原文(漢字読み下し)

・形(かたち)方(けた) 天(あ)の左右(まて)の射(い)の
・中(なか)に立(た)つ 地(くに)治(た)し平(な)るる
・神形(かみかたち)

・ホの神(かみ)東北(きね)に
・嘗(なめ)受(う)けて 地(は)の二陰(ふめ)守(も)りて
・七月(あふみ)先(ま)つ 二陰(ふめ)に和(やわ)して
・風(かせ)となす 七日(ゆみはり)に績(う)む
・木綿(いう)と麻(あさ) 復棚機(をとたなはた)の
・星祭(ほしまつり)

・十五日(もち)は御祖(みをや)と
・生霊(いきたま)に 胞衣(ゑな)の蓮食(はすけ)の
・地(め)・天(を)会(あ)えは 仰(あお)き踊(おと)りて
・気(い)お受(う)くる

・八月(ほつみ)初日(はつひ)は
・ウケ祭(まつり) 二陰(ふめ)立(た)つ風(かせ)に
・萱(かや)お臥(ふ)す 臥(ふ)し粗(あ)れ萎(の)わき
・ソロ穢(を)ゑは シナト祭(まつり)に
・ノワキ討(う)つ 蝕(ほを)の祓(はらゐ)そ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります