現代語訳

・集い交わり祝賀の御饗を終えると、ニニキネの門出にミハタノトメノオンフミ※を与えることなった
 ・また、コヤネにはヤタノカガミ※を与えることなった
 ・また、コモリにはヤヱガキノツルギ※を与えることなった
・そして、アマテルは詔を発した
 ・「この三種の宝物は、御子オシヒト(オシホミミ)から兄御孫(テルヒコ)に受け継がれたものである
 ・そのとき、フトタマカグヤマツミテルヒコのハネノオミ(羽の臣)となった
 ・この度、キヨヒト(ニニキネ)に受け継がれたことでコヤネモノヌシ(コモリ)は羽の臣となる
 ・君と臣は心を一つにせよ
 ・二羽を持つカノトリ(ミヤコドリ)の全体像はヤタミ(八民)である
 ・頭は君、鏡(左臣)は左羽、剣(右臣)は右羽、モノノベは足である
  ・鏡臣が末に滅べば民はまとまらず、恵みの日月も世に祀られなくなるだろう
  ・剣臣が末に滅べばモノノベは割れて、代(世)は奪われることになるだろう
  ・ヤタ臣(鏡臣)は、繁生える春の民業を鑑みる目である
  ・垣臣(剣臣)は、ヨコマ(汚曲)を枯らしてモノノベの力を守る手である
 ・これ故、三種を分けて授けるいわれは"永く一つに調和する"というヨシ(由)を文(御機の留文)に記しているのである」
アマテルは詔の後、文を自らニニキネに手渡した
 ・また、セオリツヒメは、御鏡を持ってカスガ(コヤネ)に授けた
 ・また、ハヤアキツヒメは、御剣を持ってコモリに授けた
・これを以って、授かった各々が三度敬意を表し、三種の宝物を皆 受け取った

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用語解説

・ミハタノトメノヲンフミ:アマテルからニニキネに手渡された文で、内容はアメナルフミとされる(三種宝の一)
・ヤタノカガミ:セオリツヒメからコヤネに手渡された鏡で、これ以降は代々 宮中に保管される(三種宝の一)
・ヤヱガキノツルギ:ハヤアキツメからコモリに手渡された剣で、これ以降は代々 宮中に保管される(三種宝の一)

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原文(漢字読み下し)

・会(ふたゑ)・交(けふ) 御饗(みあえ)おなせは
・門出(かといて)に 御機(みはた)の留(とめ)の
・御文(をんふみ)お 御孫(みまこ)に賜(たま)ひ
・御鏡(みかかみ)お コヤネに賜(たま)ひ
・御剣(みつるき)お コモリに賜(たま)ひ
・宣給(のたま)ふは

・先(さき)に三種(みくさ)の
・宝物(たからもの) 御子(みこ)オシヒトに
・賜(たま)ひしは 兄御孫(あにみまこ)得(ゑ)て
・フトタマと カクヤマ羽(はね)の
・臣(をみ)となる

・コヤネ・モノヌシ
・キヨヒトか 羽(はね)の臣(をみ)なり
・君(きみ)と臣(をみ) 心(こころ)一(ひと)つに

・右(か)の鳥(とり)の 形(かたち)は八民(やたみ)
・頭(くひ)は君(きみ) 鏡(かかみ)は左羽(たはね)
・剣(つるき)右羽(かは) モノノベは足(あし)

・鏡臣(かかみをみ) 末(す)え滅(ほろ)ふれは
・民離(たみはな)れ 日月(ひつき)踏(ふ)まれす
・剣臣(つるきをみ) 末(す)え滅(ほろ)ふれは
・モノベ割(わ)れ 治(よ)お奪(うは)わるる

・ヤタ臣(をみ)は 繁生(そろは)ふ春(はる)の
・民業(たみわさ)お 鑑(かんか)みる目(め)そ

・垣臣(かきをみ)は 汚曲(よこま)お枯(か)らし
・モノノベの 力(ちから)守(も)る手(て)そ

・この故(ゆえ)に 三種(みくさ)お分(わ)けて
・授(さつ)く謂(い)は 永(なか)く一(ひと)つに
・和(な)る由(よし)お 文(あや)に記(しる)して

・御手(をて)つから 文(ふみ)お御孫(みまこ)に
・授(さつ)けます セオリツ姫(ひめ)は
・御鏡(みかかみ)お 持(も)ちてカスガに
・授(さつ)けます ハヤアキツ姫(め)は
・御剣(みつるき)お 持(も)ちてコモリに
・授(さつ)けます 三度(みたひ)敬(うやま)ひ
・皆(みな)受(う)くるかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります